ヒューマノイドロボット、5年後に市場が14倍に拡大

Yulin Wang
ヒューマノイドロボット、5年後に市場が14倍に拡大
ヒューマノイドロボットは、embodied AIとして広く認識されており、今後10年間で急速に成長すると予測されています。この成長を後押ししているのは、テスラやBYDなどの大手企業であり、彼らは2025年から2026年の間に自社工場でのヒューマノイドの導入数を10倍以上に拡大し、1体あたりのコストを25%以上削減することを目指しています。2025年が業界の飛躍の年とされる中、IDTechExでは、LiDAR、エンコーダ、トルクセンサー、6軸センサー、IMU、MEMSセンサー、カメラなどのヒューマノイドロボット用センサー部品の市場が10年以内に約100億ドル規模に達すると予想しています。この成長は、部品サプライヤーにとって大きなチャンスとなるでしょう。 IDTechExの最新調査レポート「ヒューマノイドロボット 2025-2035年: 技術、市場、機会」では、これらのコンポーネントの市場機会、ペインポイント、製造/技術的、商業的、規制上の課題について詳しく述べています。
 
センサーはヒューマノイドロボットの機能に不可欠であり、幅広い用途で使用されています。ナビゲーション・物体検出(LiDARやカメラなど)、力制御(トルクセンサーや触覚センサーなど)、位置・安定性管理(IMUなど)はセンサーによって可能となります。本記事では、主に触覚センサーとナビゲーションセンサーに、特にLiDARとカメラに焦点を当てます。
 
触覚センサー
 
触覚センサーはヒューマノイドロボットに不可欠です。特に、『手』の部分として物体のピックアンドプレースなどのタスクを実現します。力、滑り、圧力、トルクなどの入力を統合する複雑なセンサーで、物体の形状、硬さ、柔らかさを基にロボットの手の動きを誘導するデータを生成します。ヒューマノイドロボットの最も重要なサブシステムの1つである触覚センサーは把持制御と物体操作を大幅に強化するもので、このセンサーにより、滑りを抑制するための把持力のリアルタイムな調整、視覚入力に頼らない物体の取り扱いが可能になります。
 
将来的には、表面特性を検出し、材料特性を判断することで物体を識別する役割も果たすことになるでしょう。触覚センシングは、静電容量センサー、光学センサー、磁気センサーなど、いくつかの技術によって支えられています。このうち、光学式触覚センサーは一般的に最も高い精度を有していますが、現在のヒューマノイド用途においては、そこまでの高精度が求められることはあまりありません。ほとんどのタスクは、静電容量センサーや磁気センサーの解像度で十分です。方向性としては柔軟性に優れた静電容量式触覚センサーがその適応性から有望ではあるものの、湿度や温度に影響されやすいことから、動的な環境での使用は限られるとIDTechExは見ています。
 
6軸力覚センシングなどのより複雑な測定には、磁気や光学によるソリューションが依然として必要となるかもしれません。触覚センサーの価格は一般的に0.4~1.2ドル/mm²で、数量、サプライヤー、技術の種類などの要因によって左右されます。ヒューマノイドにおける触覚センサーとその商業的応用の詳細については、IDTechExの最新調査レポート「ヒューマノイドロボット 2025-2035年」: 技術、市場、機会」でご確認ください。
 
LiDARとカメラ
 
LiDARとカメラは、ヒューマノイドロボットがナビゲーション、衝突回避、物体検出を実行する上で不可欠なセンサー技術です。2025年現在、ほとんどのヒューマノイドロボットはLiDARとカメラを併用しており、カメラのみを使用するテスラのオプティマスが例外として知られています。LiDARとカメラの両技術の融合が進む背景として、ロボットがナビゲートしなければならない環境が複雑化していることが大きな要因です。実際の用途における予測不能で動的な条件には、画像認識だけでは対応しきれないことが多くあります。
 
大手LiDARサプライヤーのHesaiによれば、タスクと照明条件が安定している生産ラインのような制御された環境では、画像認識を中核としたシステムで十分対応可能であるが、ヒューマノイドロボットは、多様で非構造化環境で人間と相互作用し、変化する光レベルに適応し、物理的に複雑な空間をナビゲートする能力がますます求められています。強い日差しや暗所、急激に変化する環境下では、カメラのみのシステムでは信頼性に欠け、ヒューマンロボットインタラクション(人間とロボットの相互作用)において安全上の懸念が生じる可能性があります。
 
LiDARはこれらを補完する極めて重要な機能として、薄暗い環境であっても、正確な経路計画、リアルタイムの3D環境マッピング、信頼性の高い障害物検知を可能にします。これらの機能は、狭い空間への物体の配置、薄暗い場所での予期せぬ障害物の回避、工場の稼働時間外のような照明が限られている場所での走行などのタスクをヒューマノイドが実行する上で不可欠です。採掘やトンネル探査のようなリスクの高い環境では、LiDARが安全性と精度をさらに高め、ロボットが危険な地形を確実にスキャンしながら走行できるようになります。
 
ヒューマノイドのセンサー部品は今後10年で急成長が見込まれる。出典: 「ヒューマノイドロボット 2025-2035年: 技術、市場、機会」
 
今後、ヒューマノイドロボットの展開が急速に拡大するのに伴い、センサー部品市場は大幅な成長が見込まれ、2035年までに100億ドルを超える規模に達すると予測されます。巧緻性への需要が高まる中、触覚センサーをコスト効率よく組み込み、システム全体のコストを大幅に増加させずに精密な操作を可能にすることが必要とされるでしょう。
 
LiDARとカメラに関して、ヒューマノイドにおける360度全方位空間認識へのニーズが進化しており、今後の設計トレンドに影響を与えるでしょう。自動運転車は通常、車線検出や障害物回避のために前方の長距離LiDARに依存していますが、ヒューマノイドロボットは、より多様な環境での運用が求められ、広範囲にわたる空間把握が不可欠です。そのため、次世代のLiDARシステムは、死角を最小限に抑えた広視野角(FOV)の設計が優先されると予想されており、特に精密な全方向認識が重要で、動作速度が比較的低い屋内用途に適したものになると考えられます。
 
さらに詳しくはIDTechExの最新調査レポート「ヒューマノイドロボット 2025-2035年: 技術、市場、機会」をご活用ください。該当ページからサンプルページがダウンロードできます。

About IDTechEx

IDTechExの調査レポートは、
・アイディーテックエックス株式会社 (IDTechEx日本法人) が販売しています。
・IDTechExからの直接販売により、お客様へ各種メリットを提供しています。
・ご希望の方に、サンプルページ 送付します。
・その他、調査レポートに関する、質問、購入に関する問い合わせは、
 下記担当まで。見積書、請求書も発行します。
 
問合せ先
アイディーテックエックス株式会社
東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル21階
担当:村越美和子  m.murakoshi@idtechex.com
電話 : 03-3216-7209
 
IDTechExは、調査、コンサルタント、サブスクリプションを通して、戦略的なビジネス上の意思決定をサポートし、先進技術からの収益を支援しています。IDTechExの調査およびコンサルティングの詳細については、IDTechExの日本法人、アイディーテックエックス株式会社まで、お問い合わせください。