導電性インク: パワートレイン、EMIシールド、インモールドエレクトロニクス | IDTechEx Research Article

導電性インク: パワートレイン、EMIシールド、インモールドエレクトロニクス | IDTechEx Research Article

IDTechExでは毎年、導電性インク業界の最新動向を反映した記事を掲載しています。今回の記事はIDTechExの調査レポート「導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー」に基づいており、過去8年間の継続的な調査の結果です。

Dr Khasha Ghaffarzadeh
導電性インク: パワートレイン、EMIシールド、インモールドエレクトロニクス
IDTechExでは毎年、導電性インク業界の最新動向を反映した記事を掲載しています。今回の記事はIDTechExの調査レポート『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』に基づいており、過去8年間の継続的な調査の結果です。IDTechExでは、成長余地の大きい複数のトレンドの最新状況をご紹介します。
パワーエレクトロニクス
パワーエレクトロニクスでは世代交代が起こっています。SiCやGaNなどの新しい半導体技術よって、より高い電力密度レベルを扱うことができる、より小さく集積されたデバイスが実現しようとしています。これらに関して、高温時の動作でボトルネックとなっているのは半導体デバイスではなく、パッケージ材料です。
 
重要なパッケージ材料はダイ(と、重要度が少し落ちますが、基板)の接着剤です。高温度帯への推進により現在の主流であるはんだは、その性能の限界にまで達したり、超えてしまっているケースもあり、代替品のニーズを生み出しています。高温域へと向かうロードマップを維持しようとすれば、この課題を悪化させるだけでしょう。
 
有力な提案として焼結金属ペーストが浮上してきています。このペーストによって熱伝導率と融解温度が向上し、デバイスが高温状態で安定して作動するようになります。この技術は7年ほどの開発期間を経て、既に商業化されており、新半導体技術への移行がさらに加速するにつれ、そのマーケットは広がっていくでしょう。
 
焼結金属ペーストの技術は改良が進んでいます。その開発目標はより広い表面積に対する急速で低加圧(もしくは無加圧)の焼結を達成することと、SACはんだとの著しい価格差を縮めることです。この材料系にはイノベーションが起きています。
 
銀が有力ですが、有望な銅の代替品も出現し、それらはより焼結に適した条件を備えています。ナノもしくはハイブリッド(ナノ+ミクロン)はミクロンサイズの粒子を基にした従来のソリューションにとって代わるものとして位置づけられています。短期的には焼結温度を下げること、長期的には焼結自体を完全になくしてしまうことを掲げています。サプライヤーはまた製品のフォームファクタを多様化しようとしており、製品を完全互換品により近づけるために単なるスクリーン印刷や孔版印刷を越えようとしています。機械メーカーは今、ピックアンドプレースユニット、乾燥ユニット、加圧焼結ユニットを統合したターンキーソリューションを提供しようとしています。
 
さらに詳しい説明は『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』で紹介しています。この調査レポートではこの成長分野の詳細な分析を提供しています。ニーズ、テクノロジーとその競合状況、アプリケーションランドスケープ、および主要なグローバル製品開発の詳細なレビューを提供します。世界中の主要な既存および新興プレーヤーをカバーしています。成長市場である電気自動車用途の焼結型ダイアタッチペーストの短期・長期予測を展開しています。
 
この記事で取り上げている様々のアプリケーション例。焼結: 一番上の画像は銀焼結を利用したリストシステム向けのIGBTモジュールです。上から2番目の画像は、テスラで使用されるSiCインバーターであり、銀焼結を利用しています。上から3番目の画像は、様々な焼結接合部の断面で、上から4番目と5番目の画像は焼結ペーストを提供する際の様々なフォームファクタです。共形メタライゼーション: 一番上の画像は銀メタライゼーションでスプレーコーティングされたパッケージです。上から2番目の画像は3つの異なる粒子形態を利用したスプレーコートメタライゼーションの断面です。上から3番目の画像はパッケージ内絶縁のための噴射ソリューションです。上から4番目と5番目の画像は航空機の上部にあるゾルメタライゼーションを施したアンテナの2つの事例と自動車用LEDヘッドランプです。成形と延伸: 上側の画像のセットは、自動車とコンシューマー・エレクトロニクス業界向けの、インモールドエレクトロニクスを利用して作られた様々な製品と試作品です。そして下側の画像セットはストレッチャブルインクを利用して作られたe-テキスタイルの製品と試作品です。微細印刷: 一番上の画像は、狭線幅に対するハイブリッド型光パターン配向アプローチです。2列目は狭線幅に対するハイブリッド型のエンボス加工アプローチです。3列目は1μm以下の直接印刷のデモです。そして最後の列は低温チップ接着のための孔版印刷によるバンプメタライゼーションです。ここでのトレンドでは、微細なピッチの回路へのメタライゼーションとともにより微細なピッチが求められるようになっています。これらの写真の多くは、IDTechExが世界中で開催されたカンファレンスや見本市で撮影したものです。 Companies whose work is shown include Optomec, Ntrium, Henkel, DuPont, Danfoss, Tesla, Alpha Assembly, Toyobo, TaktoTek, Asahi Kasei, Komura-Tech, Toray, O-Film, Dowa, Bando Chemical, GIS, Fujikura Kasei, MNTech, ConnecTech, J.W. Speaker, Atra Plastics, and others. さらに多くのサンプル紹介は『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』をご覧ください
インモールドエレクトロニクス
これは今なお非常に有望な技術となっています。生産の学習曲線ではいまだシビアなところにあり、コンセプトから大量生産までの流れはルーティン化が確立がなされていません。しかし、製品の波が市場に押し寄せようとしています。例えば、自動車用湾曲デフロスターや、LEDライト、ウェアラブルパッチ等です。IDTechExではこの分野を継続的に調査しており、市場は変曲点から遠くないと感じています(2021~2022年と推定)。
 
実際、インモールドエレクトロニクスが利用可能な製品に関しては2024年までに2億5000万ドルを超える市場になるとIDTechExでは予測しています。これはペースト市場にとって好機となります。サプライヤーの中にはこのトレンドに熱心に向き合い、顧客関係、フィードバック、製品認定の向上、製品性能やカスタマイズ能力の面でリードしている企業もあります。しかしながら、まだ改革の余地があります。全般的に改善に関しては、より優れた延伸性、より扱いやすく高速な硬化条件、より強力な接着性などに依然として向けられており、この方向性は誘電体やグラフィックスインクのようなその他すべてのスタック部材と非常に相性がいいものです。 IDTechExの調査レポート 『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』では、世界中の最新のプレーヤーをカバーし、主要な技術を評価し、最新のプロトタイプや製品を識別し、IMEのランドスケープの完全な分析し、IME製品と導電性インクのレベルで短期および長期の市場予測を提供しています。
導電性コンフォーマルコーティング
これは多様で有望な分野です。ある例では、スプレー式インクはパッケージレベルの電磁波シールドを目指しています。ここでは、現在の主流であるスパッタリングの置き換えが望まれており、このことにはCapExや材料消費コストの低下などの恩恵があります。スプレー式インクにより、大気の条件でCapExの低い生産が可能になったり、コンフォーマルコーティングをうまく施すことができるようになります。インクジェット印刷ソリューションを開発しているところもあり、厚さの均一性を制御したり、狙った場所にだけ施す能力が売りとなっています。特に高周波デバイス用のマルチダイパッケージの中の個々のダイに施すパッケージ内電磁波絶縁のために、噴射インクまたは分注インクも提案されています。これらは高い成長性を秘めており、今日多くの企業での採用が決まろうとしています。特に5Gをターゲットにしたアンテナを埋め込んだマルチICパッケージの台頭が予想されており、これによりパッケージレベルのシールドへの需要が高まるでしょう。実際、ボードレベルのシールドからパッケージレベルのシールドへの移行は大きなトレンドであり、しばらく続くでしょう。
 
サプライヤーは多くの領域で差別化を図ろうとしています。第一には性能です。性能に関して様々なインクのタイプで実験が行われています。コストと成熟度を優先し、ミクロンサイズのものを提案するところもあります。平らなフレークは上手く整列した場合、より高い導電性をもたらします。最高の接着性とシールド性能を持つ最薄のソリューションを提案しようと、ナノ粒子インク、さらには無粒子インクを開発するところもあります。多くはフルナノからフルマイクロの間、および完全球形タイプから完全フレークタイプの間にあるハイブリッドのソリューションを提供しています。
 
これはまだ十分ではないかもしれません。 サプライヤーは製品の採用をできる限り簡単にするべく対策を講じています。顧客の学習曲線や採用障壁を最小化するためにインクと硬化ユニットを統合し、フルソリューションプロバイダーを目指しているところもあります。さらにその先に行き、電磁波ホットスポットで性能を局所的に向上させるために、蒸着後の層の厚さを微調整するメカニズムを提案しようとするところもあります。全般的に今なお力強く、そして急速に進化をしている領域です。
 
コンフォーマルプリンティングの実例はまだまだあります。エアロゾルは過去には成功を収めてきましたが、いくつかの製品は幕を閉じることとなりました。この分野では強い接着力で超低温硬化を可能にする新しいインクの出現を我々は目の当たりにしています。これらはより多くの基板の材料をエアロゾルメタライゼーションに対応可能にさせるものです。
さらに詳細な情報はIDTechEx調査レポート『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』をご覧ください。この調査レポートではEMIシールドやその他のコンフォーマル印刷技術における導電性インク関連の開発の詳細な分析を提供し、世界中のプレイヤーをカバーし、最新のアプリケーションと採用の傾向を提供します。課題と将来のビジネス機会および市場予測を網羅しています。
微細印刷
これは全般的な開発トレンドであり、多くの用途を可能にしてきました。このトレンドは続くことでしょう。一例を挙げますと微細印刷により、導電性インクは、ベゼルが狭くなっているタッチパネルの端の電極関連ビジネスでその価値を維持することができました。ここでは、ハイブリッド(足し算+引き算)の技術が利用されました。同様の領域では微細印刷は目に見えないメタルメッシュタッチフィルム印刷を可能にしています。ここでは、直接印刷法が技術のデモンストレーターとして、1㎛以下の極狭性能を示しています。これら技術はセキュリティ印刷、微細TFT電極印刷などを含むタッチフィルム以外の分野での利用を目標としています。
 
並行して、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス(FHE)が実現可能になりつつあります。FHEとはリジッドエレクトロニクスとフレキシブル部品との統合を意味します。それが実現可能になりつつある理由として、(a)I/Oピンの数が多い極薄かつフレキシブルなパッケージ化複合ICが利用可能になりつつあること、そして(b)低温基板と互換性のある超低温はんだが導入されつつあることが挙げられます。このトレンドには複合ICパッケージのI/Oピンの間隔との互換性を維持しながら、フレキシブルな基板上に回路パターンのメタライゼーションを施す微細印刷が必要となるでしょう。
 
微細印刷には別の側面もあります。それについては『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』で明示しています。さまざまアプリケーション用途の微細印刷の開発状況、プレイヤーについてグローバルな情報を提供しています。
 
本レポートは8年間におよぶ深いグローバルな調査に基づいています。導電性インクおよびペースト市場の最も包括的で、最も信頼できる展望を提供し、アプリケーションと材料タイプ別にセグメント化された詳細な10年間の市場予測を提示します。市場予測は、インクレベルのトン数と売上高で示します。また、すべての主要な新興アプリケーションセクターを含む25以上のアプリケーションセクターの詳細な評価を提示します。ぜひ、IDTechEx調査レポート『導電性インク市場2019-2029: 予測、技術、プレーヤー』をご覧ください。
 
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