LiDARの構成部品を探る

LiDARの構成部品を探る
自動運転をきっかけとして、車両と道路情報の双方のデータ収集を支援する各種センサーに大きな関心が寄せられています。中でも、レーザー光で距離を測定し、周囲の正確な3Dマップを作成するリモートセンシング法、3D(3次元)LiDAR(Light Detection And Ranging:光による検知と測距)は、正確な立体情報とともに高い角分解能と長い検出距離を実現し、車の安全性に冗長性を持たせることが可能です。そのため、LiDARは広く開発されており、採用する車両も増加しています。 IDTechExの調査レポート『Lidar 2024-2034: 技術, 有力企業、市場、予測』では、自動車用ライダー市場は2034年までに95億米ドルに成長すると予測しています。
 
この記事では、正確なスキャン、検出、感知、知覚を可能にするために重要なライダーコンポーネントについて解説します。ライダーコンポーネントを分析することで、その機能性とライダーの状況を形成する最新動向を理解することができます。
 
送信モジュール
 
送信モジュールは対象エリアに向けてレーザーパルスを照射する役割を担っています。レーザー光源はその種類(905nmや1550nmの波長で動作するレーザー光源など)ごとにコスト効率や安全性の面で独自の利点があります。経済的メリットから、905nmのLiDARシステムが市場の主流となっていますが、安全性の向上や検出距離の拡大という点では1550nmの波長が好まれます。とりわけ、レーザー光源の選択はLiDARシステム全体の性能とコストに大きく影響します。
 
受信モジュール
 
逆に受信モジュールは、反射したレーザーパルスを捉え、処理できるように電気信号に変換するものです。単一光子アバランシェダイオード(SPAD)やシリコン光電子増倍管(SiPM)をはじめとする受信機技術の進歩が、感度や検出機能の向上につながっています。このようなイノベーションは、LiDAR性能の向上や長距離スキャン、物体認識などの用途の実現に極めて重要ですが、双方に制約や解決すべき課題があります。
 
ビームステアリングモジュール
 
ビームステアリングモジュールは、レーザーパルスの照射方向を調整し、対象領域を正確にスキャンできるようにするものです。LiDARシステムには、機械式スキャン、MEMS式スキャン、光フェーズドアレイ(OPA)など、さまざまなビームステアリング技術が採用されています。方式ごとに、スキャン速度、角度範囲、フォームファクタにおいて明確な利点があり、さまざまな用途の要件に対応します。360°対応機械的回転式LiDARシステムは発展の初期段階では(特にロボタクシー技術において)主流でしたが、高コストと信頼性の問題が、自動車業界への普及を妨げてきました。そのため、回転ミラー、MEMS、(リスレー)プリズムなどのセミソリッドステート方式やハイブリッドメカニカル方式のビームステアリング技術が支持を獲得しつつあります。中でも回転ミラー技術は、特に単軸スキャン用途におけるその信頼性とコスト効率の高さから、多くのティア1サプライヤーと完成車メーカーの間で支持が高まっています。プリズム技術は注目されなくなりましたが、産業用途でまだ有用性があるかもしれません。不規則な点群、レーザー数減少による作業負荷の増加、出力強度の増強、MEMSミラーの性能と信頼性への懸念など、MEMS技術は課題を抱えていますが、複数の企業がMEMSを利用し続けています。フラッシュ方式のLiDARは人気がありますが、適しているのは主に短距離検出です。未来に目を向けると、OPA技術はLiDAR開発の興味深い方向性の1つです。性能と機能が向上する可能性がありますが、成熟度が低く、高コストであるため実用化には至っていません。
 
制御・処理モジュール
 
制御モジュールは、アルゴリズム処理やデータ解釈など、LiDARシステムの動作を制御します。先進の信号処理アルゴリズムが未加工センサーデータから点群モデルを生成し、正確な空間マッピングと物体検出を可能にします。LiDAR用途が進化し続ける中、現在進行中の研究では、検出精度とリアルタイム処理能力の向上に向けた制御アルゴリズムの最適化に重点が置かれています。
 
Lidar components. Source: IDTechEx
 
このように、LiDAR機器は、送信モジュール、受信モジュール、ビームステアリングモジュール、制御・処理モジュールという、実質上、主に4つのモジュールに分類できます。中でも送信モジュールと受信モジュールは、トランシーバーモジュールと総称されます。
 
3D LiDAR技術における重要なイノベーションとして認識されているビームステアリングシステムの改良には多くの関心が向けられてきました。LiDAR新規参入企業の多くは、自社独自のビームステアリングソリューションを重視しています。注目すべきは、ビームステアリング部品がLiDARシステムの信頼性と生成される点群の一貫性に大きく影響するという点です。一方、精度、検出距離、処理速度などは、主にトランシーバーシステムの性能に左右され、その性能はまた、LiDARソリューション全体のコストにも大きく影響します。LiDARの性能を高める上で、トランシーバーはさらなる注意と改良を要する部品となっているのです。
 
LiDARの技術分析、市場予測、サプライチェーンの理解、プレーヤーの活動追跡、商機などを網羅したIDTechExの調査レポート『Lidar 2024-2034: 技術, 有力企業、市場、予測』を、ぜひご活用ください。
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