エクステンデッド・リアリティ(XR)の光学系デバイスがメタバースの鍵を開けるまで
2022年5月30日
2022年、エクステンデッド・リアリティ(XR)デバイスやメタバースをめぐる過熱ぶりは最高潮に達していますが、ハードウェアのハードルが依然としてヘッドセットの開発を阻んでいます。拡張現実(AR)と複合現実(MR)のヘッドセットに要求される特殊な光学系は、業界の大きな障害のひとつであることがこれまでに分かっています。仮想現実(VR)ヘッドセットにおいては、これまで主流となっていたフレネルレンズベースのアーキテクチャの欠点を解消するべく、これまでにない新しいタイプのレンズを導入することが増えています。
IDTechExは2015年からXR業界を調査し、技術や市場動向を注視し、世界中のキーパーソンへインタビューを行い、多くのカンファレンスに参加し、複数のコンサルティング案件を扱ってきました。 IDTechExの新しい調査レポート『AR/VR/MRの光学系技術 2022-2032年:テクノロジー、有力企業、市場』では没入感を高めた、軽量で目立ちすぎないXRデバイスを開発するための主要技術を詳細に分析しています。10年間の詳細な市場予測を20の技術カテゴリーに分けて行い、業界の材料需要の分析とともに提供しています。また、これらの技術を扱う有力企業への直接取材から得た情報も多数掲載しています。
AR/MRの光学系:光コンバイナ、導波路、補助レンズ

AR光学系の展望。 Source: IDTechEx -『AR/VR/MRの光学系技術 2022-2032年:テクノロジー、有力企業、市場』
2022年現在、光導波路が、作られた現実を現実世界に重ね合わせることで没入感のあるAR/MRを実現する方法であるというコンセンサスが形成されつつあります。表面レリーフ回折導波路は、ホロレンズやMagic Leapといったデバイスでも使用されており、いち早く先へと進んでいます。それらのデバイスの製造にはシリコン業界で用いられているプロセスを使用しているため、導波路技術を用いることにより、相対的にスリム化、コンパクト化することが可能ですが、コスト高や画質、効率の悪さなどの問題を抱えています。ホログラフィック回折導波路と反射型導波路は、それぞれが製造性に革命をもたらし、画質を再定義することを約束する代替品となりますが、大きな牽引力を得るまでには至っていません。
他の光コンバイナ技術(特に「BirdBath」方式コンバイナとフリースペース型ホログラフィックコンバイナ)も、とりわけコストやコンパクト性が最優先事項である場合、AR/MRヘッドセット設計時には有力な候補となります。ヘッドセットのタイプによって適した技術が異なるため、『AR/VR/MRの光学系技術 2022-2032年:テクノロジー、有力企業、市場』では、AR/MR市場をヘッドセット視野の広さ別にセグメント化し、各カテゴリーの勝者候補技術に注目しています。その他には、眼鏡の度の補正や適合的眼球離反運動の不一致の解消を可能にする導波路用補助レンズの状況についても考察しています。
VRの光学系:最新のレンズ技術 VS フレネルレンズ
画像を拡大しピントを適切に合わせるのに用いられるフレネルレンズは、現在の主流であり、ほとんどのVRユーザーにとって「十分に良い」ものです。これらの軽量かつ低コストな光学系は、一般的にプラスチックを成形または型押し加工したものであるため、ヘッドセットを相対的にコンパクトにすることはできますが、リングアーチファクトや色のコントラストなどに関して難点があります。2022年の時点では、これ以上の進歩の余地はほとんどありません。新たに市場に参入する競合技術では、これらの問題の多くは解消されており、機能の追加とヘッドセットの小型化も可能になります。IDTechExのレポートでは、今後の進化の方向性に注目しています。
新しいデザインの第一波では、小型化に焦点が当てられています。パンケーキレンズは2021年に欧米のヘッドセット市場に初登場し、今年メタから発売されるデバイスに使用される見込みです。これらのレンズを使用すれば、視度補正とフレネル反射によるアーチファクトの除去が可能となり、そのうえ光路を折り曲げることにより小型化が約束されます。一方で開発上の難題も抱えています。その中でも光学系の効率性の低さや、材料の開発による二重像の防止が鍵となっています。
引き続き開発が行われることで、将来的には適合的眼球離反運動の不一致は解消され、没入感は大きく高まるでしょう。動的にピントを調整できる幾何学的位相レンズアレイは、VR光学系の大本命となるかもしれませんが、浸透するまでにはあと数年はかかる状態です。ホログラフィやメタサーフェスをベースにしたこれらの技術に、メタやバルブ、アップルなどの有力企業が関心を持ち、特許をめぐる活動を進めています。かつて動きの乏しかったこの分野は、イノベーションが生まれる土壌へと変貌を遂げています。
IDTechExでは、XR光学系産業は2032年まで年平均24%で成長し続けると予測しています。さらに詳しくは、『AR/VR/MRの光学系技術 2022-2032年:テクノロジー、有力企業、市場』でご確認ください。
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