スーパーキャパシタ市場は2036年までに48億6000万ドル規模に達する見通し

スーパーキャパシタ市場は2036年までに48億6000万ドル規模に達する見通し
スーパーキャパシタ(またはウルトラキャパシタ)はすでに確立された技術であり、リチウムイオン電池の高いエネルギー密度、コンデンサの高い出力密度、長いサイクル寿命という特性を併せ持っています。
 
世界のスーパーキャパシタ市場は、この10年間で自動車、電力網、産業用途などの特定分野で着実な成長を遂げてきました。2026年から2036年にかけてもこの傾向は続く見込みで、2036年までに市場規模は48億6000万ドル規模に達すると予測されています。
IDTechExの新しい調査レポート「スーパーキャパシタ 2026-2036年:技術、用途、予測」では、この成長市場に関する詳細な分析を提供しています。
 
スーパーキャパシタは、コンデンサ、バッテリー、燃料電池とともに、エネルギー貯蔵の基礎となる4つの技術の1つで、高い出力密度と中程度のエネルギー密度が求められる用途で多く使用されています。例えばハイブリッド車の場合、スーパーキャパシタは充放電サイクルを頻繁に繰り返すことに優れているため、エネルギー密度の低さがスーパーキャパシタを採用しない理由にはならないのです。多くの場合、スーパーキャパシタはハイブリッド型エネルギー貯蔵システムでバッテリーと組み合わせて使用されます。
 
スーパーキャパシタ技術は主に3種類で、電荷貯蔵機構と電気化学的特性(エネルギー密度、出力密度、サイクル寿命など)によって分類されています。
 
スーパーキャパシタの基本的な電荷貯蔵機構には、従来のコンデンサで用いられている静電的電荷貯蔵と、1対の酸化還元的半反応を表すバッテリーの基本原理であるファラデー反応による電荷貯蔵の2種類があります。スーパーキャパシタは、設計に応じて、この2つの電荷貯蔵機構のいずれかまたは両方を用いることができます。スーパーキャパシタの中で最も主流とされるのは電気二重層キャパシタであり、すでに商用化に成功しています。このタイプのキャパシタでは静電的に電荷を貯蔵します。
 
一方、ハイブリッドスーパーキャパシタと疑似キャパシタはさらに先進性の高い技術です。ハイブリッドスーパーキャパシタでは静電的電荷貯蔵とファラデー反応による電荷貯蔵が併用され、疑似キャパシタではファラデー反応による貯蔵だけが用いられます。一般的にファラデー反応による電荷貯蔵の方が低出力密度、高エネルギー密度という特性があり、それによって3つの技術の電気化学的特性に分けられます。
 
 
スーパーキャパシタの電荷貯蔵機構。出典:IDTechEx
 
用途
 
スーパーキャパシタは、高出力や長サイクル寿命が求められ、エネルギー密度がそれほど重視されない用途に適しています。スーパーキャパシタ開発企業は、その条件に合うニッチ市場をターゲットにしています。例えば、産業用・データセンター向け・製造業向けUPS(無停電電源装置)、自動車関連分野(高出力インパルス用途、回生ブレーキによってコンデンサを再充電できるハイブリッド車)、電力網(出力制御用、ピークシェービング用)です。
 
再生可能エネルギー用エネルギー貯蔵システムの普及が進み、ハイブリッド車が次第にピュアEVに淘汰されていくにつれ、スーパーキャパシタ開発企業の主なターゲットは、今後10年間で自動車から電力網へ移行していくとIDTechExは予測しています。
 
結論
 
スーパーキャパシタの普及は、最大の競合品であるリチウムイオン電池の普及と比較した場合、いくつかの阻害要因が挙げられます。エネルギー密度とkWh当たりのコストは、多くのエネルギー貯蔵装置用途(特にピュアEVやエネルギー貯蔵システム向け)では極めて重要で、これらの数値指標ではスーパーキャパシタはとても太刀打ちできません。さらに、スーパーキャパシタをバッテリーと比較した場合の最大の差別化要因は、従来のバッテリーでは実現できなかった高出力密度です。
 
ところが、新しいバッテリーケミストリー(固体、シリコン負極、リチウム金属など)の開発に伴い、出力密度の差は縮まりつつあり、用途によってはバッテリーで「十分間に合う」というケースが続々と増えています。
 
kW当たりのコストはバッテリーの方がはるかに低いため、高出力用途ではバッテリーがスーパーキャパシタと互角に戦えるようにはならないでしょうが、バッテリー技術向上や新しいバッテリーケミストリー開発に伴い、スーパーキャパシタのニッチ市場も次第に縮小していくでしょう。
 
新たなスーパーキャパシタ技術(ハイブリッドスーパーキャパシタや疑似キャパシタ)の開発や、自動車と電力網を中心とした用途市場の成長により、世界のスーパーキャパシタ市場は今後10年間で15.3%の年平均成長率で継続的に成長する見通しです。
 
再生可能エネルギー貯蔵システムへの導入が増加傾向にあることや、ハイブリッド車市場の崩壊が予測されていることから、自動車用途よりも電力網用途での導入が拡大していくと見られています。
 
さらに詳しくは、IDTechExの調査レポート「スーパーキャパシタ 2026-2036年:技術、用途、予測」でご確認ください。該当ページからサンプルページがダウンロードできます。 IDTechExのエナジーストレージ関連レポートは、こちらでご覧いただけます。

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