マイクロ(Micro)LEDディスプレイについて知っておきたいこと

マイクロ(Micro)LEDディスプレイについて知っておきたいこと

マイクロ(Micro)LEDディスプレイについて知っておきたいこと
携帯電話、テレビ、自動車、公共の場でのスクリーンなど、ディスプレイは私たちの生活の中で情報を伝える重要な手段となっています。小さなサイズから巨大なサイズまで製造可能で、次世代の主流になる可能性を秘めたディスプレイ、マイクロLEDディスプレイが登場しています。IDTechExの新しい調査レポート『マイクロLEDディスプレイ 2020-2030年: 技術・ 商品化 チャンス・市場および有力企業』では、ビジネスチャンス、課題について詳しく掲載しています。

マイクロLEDディスプレイの開発には様々な動機がある

ほとんどのディスプレイ用途でLCDが優位に立ち、OLED(有機EL)とQD-LCD(量子ドットLCD)はプレミアム製品に位置付けられている一方で、なぜ企業はマイクロLEDへの取り組みを、今なお続けているのでしょうか?
 
マイクロLEDディスプレイは、広色域、高輝度、低消費電力、優れた安定性、長寿命、広視野角、高ダイナミックレンジ、高コントラスト、高速リフレッシュレート、透過性、シームレス接続、センサー統合機能など、多くの価値を提案するものです。こうした提供価値には、LCD、OLED、QDなど別の技術で実現できるものもありますが、マイクロLEDは独自の価値提案を持ち、多くの企業がそれを追求しています。消費者からの要求は、その大きな動機の1つです。加えて、OLEDが初めて市場に登場した際にその強みが打ち出されたように、マイクロLEDもサプライヤーにとって独自の強みとなる可能性があります。
出展 : IDTechEx調査レポート :LCD、OLED、QD、マイクロLEDディスプレイのバリュープロポジション
 
もう一つのドライバーは供給側にあります。現在のディスプレイ市場は、コスト競争力で中国に生産拠点を移しているLCDと、韓国が技術を保有しているプレミアムのOLEDに支配されています。新しいディスプレイ技術に参入することは、プレイヤーに新たなチャンスをもたらす可能性があります。
 
第三に、さらに多くのプレーヤーがマイクロLED業界を追いかけています。今のところマイクロLEDは彼らの主要な焦点ではないかもしれませんが、彼らはマイクロLEDが実際に軌道に乗ったときに取り残されるのではなく、すぐに追いつくことができるように、マイクロLEDに注目しています。

科学的に実証されているが、エンジニアリングや製造の面では不十分?

公開される試作品の数は増えており、そこに科学的発展があることが示されています。しかし、更なる難関が、エンジニアリングと製造に関する問題です。例えば、従来のLEDでは70%の外部量子効率(EQE)を達成することが可能ですが、10µm未満の極小マイクロLEDでは20%を達成することさえ苦戦するかもしれません。赤色LEDは、EQEの低さと機能の不安定さのため、特に難しい課題となります。極小マイクロLEDは表面積が大きいため、製造工程で欠陥が増える可能性があります。したがって、高効率を維持しながらのダイサイズの小型化、チップ設計、チップ製造技術の向上など、エンジニアリングや製造における課題を解決することが重要となります。

研究開発の焦点のシフト

マイクロLEDディスプレイの製造には多くの段階と工程があり、さまざまな問題が存在します。以前の研究開発の主な焦点は、ダイの小型化、チップ設計、効率の向上、マストランスファー、フルカラーの実現でした。一方近年では、すべての工程を完全に理解することが重要であると認識する企業が増えています。そのため、より多くの人材が、検査、修理、駆動、画像改善、照明管理、量産設備などの技術にも注力するようになっています。

サプライチェーンの再編

複数の既存産業や新規産業が参入するマイクロLEDディスプレイは、既存のLEDやディスプレイのサプライチェーンを、長く複雑で新しいサプライチェーンに変えてしまうかもしれません。また、新技術のアプローチと新製品は、企業にとっての新たなビジネス機会となるでしょう。例えばCMOS業界は、マイクロLEDベースのマイクロディスプレイのサプライチェーンにおけるポジションを確保する可能性があります。各企業は、バリューチェーン内で利益を最適化するでしょう。そのため、この技術と市場の状況を深く理解することが欠かせません。
 
本調査レポートでは、技術の限界と可能性を説明し、市場の動向分析、サプライチェーンの理解、プレーヤーの活動状況、世界のトレンドを提供しています。マイクロLED業界の全体を理解するためには、ぜひ、IDTechExの最新レポート『マイクロLEDディスプレイ 2020-2030年: 技術・ 商品化 チャンス・市場および有力企業』をご活用下さい。
 
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