確かな未来: 全固体電池によって実現する新しいチャンス | IDTechEx Research Article

確かな未来: 全固体電池によって実現する新しいチャンス | IDTechEx Research Article

全固体電池は次世代のエネルギー蓄積ソリューションへの道と考えられています。IDTechExの調査レポート「全固体電池およびポリマー電池 2019年から2029年」で関連技術、特許状況、マーケットフォーキャスト、プレイヤーについて詳しく取り上げました。

Dr Xiaoxi He
確かな未来: 全固体電池によって実現する新しいチャンス
全固体電池は次世代のエネルギー蓄積ソリューションへの道と考えられています。IDTechExの調査レポート「全固体電池およびポリマー電池 2019年から2029年: 技術、特許、市場、プレイヤー」では関連技術、特許状況、マーケット予測、プレイヤーについて詳しく取り上げています。
 
成熟したリチウムイオン電池技術には本質的な限界がある
 
一般的な市販電池は通常、正極、負極、隔離板、電解液で構成されています。市販電池の中でも特に成功しているのはリチウムイオン技術を用いたもので、1991年に商業化されました。しかし、世界的な成功と家電さらに最近では電気自動車(EV)における普及により、基礎技術による安全性、性能、フォームファクター、コストの限界が明らかになっています。
 
 
Illustration of a typical battery cell. Source: IDTechEx
最新のリチウムイオン技術は有機溶媒にLiPF6、LiBF4、LiCIO4などのリチウム塩を溶解させた液体電解質を使用しています。しかし、負極で電解液が分解することにより生じる固体電解質界面(SEI)が有効な伝導を制限します。さらに電解液には、正極と負極を隔てる高価なメンブレンや液漏れを防ぐ不浸透性ケーシングが必要です。そのためこれらの電池は大きさやデザインの自由が制約されます。さらに電解液は可燃性、腐食性の液体を使用しているため、安全上・健康上の問題があります。特にSamsungの発火事故問題は可燃性の電解液を使用した場合、大手の企業でさえリスクを負うことになることを示しました。
 
全固体電池はゲームチェンジャーになる可能性がある
 
全固定電池は特に電気自動車、ウェアラブル、ドローン市場において、これらすべての問題に対処できる可能性があります。最初に固体電池が実用化されたのは70年代、ペースメーカーの一次電池としてでした。リチウム金属のシートを固体ヨウ素に接触させることで2つの材料が短絡した電池のようにふるまい、その反応によって両者の境界面にヨウ化リチウム(Lil)層が形成されます。Lil層が形成された後も数年にわたりリチウム負極からヨウ素正極へ微小な定電流が流れ続けます。時代は下って2011年、トヨタと東京工業大学の研究者は液体電解質と同じイオン伝導率をもつ硫化物系物質を発見したと主張しました。これは10年前には考えられないことでした。5年後、両者はこの数値を倍増することに成功しこれにより全固体電池が高出力の用途や急速充電の面でも魅力を増してきました。この研究をはじめとするいくつかのイノベーションが現在のリチウムイオンのエネルギー密度の3倍にもなる新しいカテゴリーの材料への研究と投資を刺激しました。
 
全固体電池では両電極と電解質のすべてが固体です。固体電池は通常、隔離板としてもふるまうため、一部の部品(隔離板とケーシング)が不要になり小型化が可能です。このため従来のリチウムイオン電池より薄く柔軟に作り、単位重量当たりのエネルギー容量を増やせる可能性があります。さらに液体電解質をなくすことで、使用中に発生する温度変化や物理的ダメージに強く、より安全で耐久性のある電池実現の可能性が拓けます。全固体電池では劣化するまでの充電/放電サイクルの回数が増えるため、使用期間が延びる可能性があります。
 
Source: IDTechEx
全固体電池事業への参入が再編されるサプライチェーンでの地位向上につながる
 
電池市場は現在アジア企業が優位を占めており、欧米の企業各社は日本、中国、韓国から付加価値を奪うことになるかもしれないこの激しい競争に打ち勝とうと懸命です。材料選択と製造手順が変わることから電池のサプライチェーンが再編される兆しが見えています。技術的にも経営的にも全固体電池の開発が次世代電池戦略の一部になっています。これは地域の権益と政府の支援を巻き込んだグローバルゲームとなっているのです。
 
乗用車用電解質の市場シェア ($B)
 
 
Source: IDTechEx
 
本レポートでは2029年には250億ドル以上に達すると予想される全固体電池業界について、向こう10年間の販売数量、生産能力、市場規模の予測を提示します。中でも8種類の無機固体電解質と有機高分子電解質を詳細に分析し、どの物質が勝者となるかに注目します。さらに補足として主要企業がどの物質に取り組んでいるか、過去5年間にその分野の研究開発がどのように進んでいるかを見定める独自の知的財産権情勢分析をご紹介します。
全固体電池の技術的アプローチ
 
 
Source: IDTechEx
 
さらに本レポートでは全固体電池に関する製造上の課題と、それらの制限に対する大手企業(トヨタ、東芝など)の取り組み、サプライチェーンへの影響についても取り上げます。研究の進捗状況、技術的な功績、重要な市場参加者の詳細な活動についても触れています。戦略的資源としてのリチウム金属についての調査内容も掲載し、世界におけるこの材料の戦略的分布とそれが全固体電池において果たす役割に注目します。化学物質の中には多量のリチウムを必要とするものもあり、世界中の鉱山会社に負担をもたらしています。
 
最後に20社以上の技術面と製造面での対応状況を比較してランク付けし、ウォッチリストとスコア比較を提供します。
 
本レポートで取り上げる企業:
24M, Applied Materials, BatScap (Bolloré Group) / Bathium, Beijing Easpring Material Technology, BMW, BrighVolt, BYD, CATL, Cenat, CEA Tech, China Aviation Lithium Battery, Coslight, Cymbet, EMPA, Enovate Motors, FDK, Fisker Inc., Flashcharge Batteries, Fraunhofer Batterien, Front Edge Technology, Ganfeng Lithium, Giessen University, Guangzhou Great Power, Guoxuan High-Tech Power Energy, Hitachi Zosen, Hyundai, Ilika, IMEC, Infinite Power Solutions, Institute of Chemistry Chinese Academy of Sciences, Ionic Materials, ITEN, Jiawei Long powers Solid-State Storage Tecnology RuGao City Co.,Ltd, JiaWei Renewable Energy, Johnson Battery Technologies, Kalptree Energy, Magnis Energy Technologies, Mitsui Metal, Murata, National Battery, National Interstellar Solid State Lithium Electricity Technology, NGK/NTK, Ningbo Institute of Materials Technology & Engineering, CAS, Oak Ridge Energy Technologies, Ohara, Panasonic, Planar Energy, Polyplus, Prieto Battery, ProLogium, Qing Tao Energy Development Co., QuantumScape, Sakti 3, Samsung SDI, Schott AG, SEEO, Solidenergy, Solid Power, Solvay, Sony, STMicroelectronics, Taiyo Yuden, TDK, Tianqi Lithium, Toshiba, Toyota, ULVAC, University of Münster, Volkswagen, Wanxian A123 Systems, WeLion New Energy Technology, Zhongtian Technology.
 
さらに詳しくIDTechEx調査レポート 「全固体電池およびポリマー電池 2019年から2029年: 技術、特許、市場、プレイヤー」をご覧ください。IDTechExの調査レポートを購入すると30分のアナリストタイムが提供されます。直接アナリストにレポートに関する質問が可能です。
 
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