サーマルインターフェース分野での競争はヒートアップ

サーマルインターフェース分野での競争はヒートアップ

サーマルインターフェース分野での競争はヒートアップ
サーマルインターフェースマテリアル(TIM)は、リチウムイオン電池から5G基地局、LED、コンシューマーエレクトロニクス等に至るまで、数多くの分野で極めて重要な役割を果たしています。多くの業界が電力の増大とサイズの縮小を模索している中で、放熱がしばしば制限要因となっています。
 
デバイスで発生した熱を効率的かつ均一にヒートシンクへと伝達することは、通常何らかの形のインターフェース材料の助けを借りて行います。TIMはギャップパッド/フィラーから熱伝導性接着剤、放熱グリス等まで、様々な形(および名前)を取ります。TIMには、特定の用途を前提とした場合、接着性、粘度、熱膨張係数(CTE)、ボンドライン厚、リワーク性、寿命など、特性に関して考慮すべき様々な事項があります。しかし、最も重要なのは、面貫通熱伝導率と接触熱抵抗(インターフェース材料の接触面)です。
 
IDTechExはこの業界に対する幅広い分析を実施し、TIM業界に関する先駆的な調査レポート「サーマルインターフェースマテリアル 2020年ー2030年:フォーキャスト、技術、ビジネスチャンス」を発行しています。本レポートには多数の業界の詳細なレビューと、主要企業と材料の考慮事項に関するレビューを掲載しています。
 
面貫通熱伝導率の向上は、多くの分野において市場の牽引要因になりつつあります。従来の材料や設計では十分な性能が得られておらず、このことが新しい材料の採用と新規市場参入者に道を開いています。多くの産業においてこの面貫通熱伝導率は10W/mk以上を目指して向上していますが、特定の業界においては、25W/mkをはるかに超えることが鍵になります。
 
セラミック充填シリコーン樹脂などの現行の材料には、まだ用途の拡大が見込める市場が存在します(最も注目すべき市場は電気自動車用のリチウムイオン電池)が、より要求の厳しい分野では脅威にもさらされています。以前の記事 以前の記事では、多様化し成長を続ける市場について考察を行いました。
 
本稿では検討や採用が進みつつある先進材料をいくつか取り上げていきます。加えて、熱伝導性フィラーの配向を制御する方法を考察することが重要です。特に異方性添加剤では配向により、使用する材料を減らしても同等の性能を発揮できるため、コストを削減できたり、同じフィラー使用量で性能を向上させることが可能です。この点についてはマトリックス材料が提供する機械的性能と併せて検討する必要があります。配向は、機械的方法、磁気的方法、電気的方法、誘電泳動、熱伝導性フィラーの形成方法など、複数の方法で制御することが可能です。
先進カーボン
より高い熱伝導性能を得るために、ポリマーマトリックスの熱伝導性フィラーまたは独立型のものとして、先進カーボンへの注目度が高まりつつあります。この先進カーボンには、グラファイト、ピッチ系カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなどがあります。
 
下の図に示すように、垂直配向を得ることで、最大で80W/mkとなる高い熱伝導率を実現できる可能性があります。
 
最も注目すべき例の1つとして、SamsungのGalaxy Note9でのカーボンファイバーの採用が挙げられます。IDTechExではカーボンファイバーベースのTIMが、電気自動車のパワーエレクトロニクスデバイス、様々な軍事用途、高性能計算などにも使用されていることをつかんでいます。
 
グラファイトからグラフェンまで、シート状、ペースト状のものやパッドに垂直配向されたものがあり、すべて大きな注目を集めています。それらすべてで熱伝導性の著しい改善が報告されており、LED、コンシューマーエレクトロニクス、基地局などにおいて、現在、そして将来の採用増加が有望視されています。
 
カーボンナノチューブは1990年代初期から知られ、熱伝導性フィラーとして研究されてきましたが、より注目に値するのは垂直配向フォレスト/アレイ(VACNT)の広範な研究です。形成後のVACNTの移植方法から、均一な接触抵抗を得る方法まで、大きな課題がまだ残っています。しかしながら、中国・日本の主要プレイヤーの多くが重要な共同研究や発表を行っているという事実が、将来有望な分野であることを示しています。
Figure 1: 様々な形でTIMとして使用される各カーボン材料のベンチマーク調査。出展: 「サーマルインターフェースマテリアル 2020年ー2030年:フォーキャスト、技術、ビジネスチャンス」
先進セラミック
先進カーボンを使用する際の課題の1つは、これらの材料が導電性であるということです。つまり、デバイスをそれに応じて設計しなければならないことを意味します。セラミックが好まれる理由の1つがこれです。必要に応じて、より球状・フレーク状の粒子が求められる傾向がありますが、新しい材料に関しては、窒化ホウ素ナノ構造体関連により多くの関心が寄せられています。窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)・ナノシート(BNNS)の両方が商業化され始めています。
 
BNNTはまだ参入者が限られているため、特性やコストの面でかなりのばらつきがありますが、多くの企業はラボからパイロットプラント、さらには本格生産にまで進んでいます。ほとんどの企業がTIMを重要なターゲット市場として挙げています。既にいくつかの有望な結果が出ており、重要産業から関心が寄せられています。
 
IDTechExでは多数の関係者へのインタビューや詳細な分析を行いました。この 市場調査レポートでは、先進材料だけでなく、相変化材料(PCM)、放熱グリスなど、現行製品も取り上げています。本レポートでは、主要分野における50の予測対象用途をカバーし、この業界に関する概要と見通しを広く提示します。
 
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