導電性インク:ハイブリッドエレクトロニクス、インモールドエレクトロニクス、電子皮膚パッチ

導電性インク:ハイブリッドエレクトロニクス、インモールドエレクトロニクス、電子皮膚パッチ

Dr Khasha Ghaffarzadeh
導電性インク:ハイブリッドエレクトロニクス、インモールドエレクトロニクス、電子皮膚パッチ
導電性インクのビジネスは、本質的に素晴らしい多様性を持っています。これにより、この業界は何度も復活を遂げ、何世代にもわたる製品ライフサイクルの中で重要な役割を担い続けることができています。 しかし、このような多様性は、世界中の多くの中小企業や大企業にとって、市場のセグメンテーション、評価、優先順位付けの課題となっています。IDTechExは、顧客が既存市場と新しい市場の特定と評価、ビジネスダイナミクスへの深い洞察、主要な競合他社と潜在的な顧客の把握、アプリケーション要件の学習、市場規模と将来の市場の可能性の理解をすることを目的として、調査を継続しています。
 
調査結果は、IDTechEx市場調査レポート 『導電性インク市場 2020-2030年: 見通し、技術、有力企業』を通して、提供し、その洞察の深さで他の追随を許さないものとなっています。著者は、業界で直接経験を積んでおり、本書の情報は広範な一次調査に基づいています。実際、150社以上へのインタビュー、35のカンファレンスやトレードショーへの参加、複数のプロジェクトなどへの参加が研究を支えています。この調査レポートでは、多数の既存および新興のアプリケーションをカバーしています。ほぼすべてのアプリケーションについて、市場ダイナミクスの説明、ドライバーの評価、主要技術の特定、主要なプロトタイプと製品のハイライト、主要プレーヤーについての言及、アドレス可能な市場のレビュー、市場のサイズと予測を提供しています。
 
この記事では、インモールドエレクトロニクス、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス、e-テキスタイル、スキンパッチのアプリケーションについて、解説します。前回の記事では、自動車、5G、電子包装、太陽光発電のアプリケーションを取り上げました。次回の記事では、3Dプリントエレクトロニクス、プリントセンサー(圧電、圧電抵抗、バイオセンサー、誘電体汚れセンサーなど)、RFID、PCB印刷、その他多くの既存および新興のアプリケーションを取り上げる予定です。
フレキシブル ・ハイブリッド・ エレクトロニクス (FHE)
この新興技術の最前線では、プリンテッドエレクトロニクスを、硬質のIC・電子部品と組み合わせたり、ハイブリッド形成したりすることが可能になるため、両者の良いところを融合させることができます。実際、これまでのプリンテッドエレクトロニクスにおける制限要因は、ロジックやメモリなどの多くのコンポーネントが存在しないか、非プリント技術のコストとパフォーマンスのレベルに遠く及ばないことでした。
 
言うまでもなくFHEを実装するのは、容易なことではありません。柔軟性を実現するために、薄型のICの開発が行われています。高価なPIから低コストかつ低温のPETへの移行を実現するため、低温はんだや光焼結などの新しい接着技術の開発が行われています。まずはデジタル印刷が採用される可能性が高く、納期が短縮され、カスタマイズが可能になり、限られたユニットが生産されるようになります。長期的には、高スループットなロール・ツー・ロール技術が必要となります。これには、薄いICを取り扱えるようにするために、ロールへの高速なピック&プレースのイノベーションが必要です。これは確かに大きなイノベーションの機会となります。
 
全体として、長期的には、この技術により、柔軟で複雑で比較的大規模な回路を迅速に生産することが可能になります。数十億単位のRFIDビジネスを想像してみてください。より複雑で大面積の回路ラインや、より大型で強力なICを想像してみてください。これが長期的な移行であります。
 
ここでは導電性インクが中心的な役割を果たします。高スループット生産を実現するには、高速な焼結/硬化技術が必要となります。低コストであることも必須です。これに対応するために、新しい銅の配合により、コストとパフォーマンス間のトレードオフを打開し、簡単で高速な焼結の実現が模索されています。狭い線幅での高スループット印刷も、I/Oピンが密集した複雑なICをサポートするのに必要となります。これは、ますます重要な分野になるでしょう。最初のうちは、資金力のある多くの研究センターが業界を牽引することになるでしょう。しかし、商業生産への移行は間もなく、本格的に行われます。
 
この分野の現在と将来、主要な課題とチャンス、多くのサブセグメントにおける数量、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクスにおける導電性インクの役割と市場の詳細については、IDTechExの市場調査レポート『フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス 2020-2030年:用途、課題、イノベーションおよび見通し』を、ぜひご覧ください。
インモールドエレクトロニクス(IME)
インモールドエレクトロニクスは、自動車、消費財、ウェアラブル、家電の各用途において、製品レベルで2029年までに10億ドルを超えると予測されています。その進歩は、それほど厳しい信頼性と製品寿命が求められない用途向けのより小型でシンプルなデバイスから始まります。その後、より要求の厳しい市場へと移行します。つまり、今回は、業界として、全力で走り出す前に助走期間を設けることを学ぶでしょう。当社では、自動車市場が2022年~2023年にIME製品の採用を開始すると予測しています。
 
IMEは、もはや若い分野ではありません。最初の製品は5年以上前に発売されました。導電性インクの革新は、この方法を可能にする上で重要な役割を果たしてきました。今日では、多くのインクが利用可能になっています。サプライヤーは、標準的な導電性インクとの導電性のギャップを埋め、個別に、あるいはスタックの一部として信頼性を向上させ、延伸性の限界を広げることを目指しています。要件がより標準的になれば、より多くのサプライヤーがビジネスに参入することができます。
 
インモールドエレクトロニクス業界全体の詳細は、IDTechExの調査レポート『インモールドエレクトロニクス 2020-2030年:技術、市場予測、主要企業』をご覧ください。このレポートは、この分野の包括的な評価を提供しています。イノベーションの傾向と課題の概要、主要サプライヤーと製品の性能レベルのハイライト、バリューチェーン、最新のプロトタイプと製品の紹介、製品とインクレベルでの市場予測を提供しています。
電子皮膚パッチ
これは、すでに大きなビジネスとなっています。実際、IDTechExは2018年に電子皮膚パッチが75億ドルを生み出し、これが2029年までに200億ドルを超えると予測している。皮膚パッチ製品のいくつかの分野(特に糖尿病管理と心血管モニタリング)は、既存市場の選択肢に取って代わり、フロントランナー企業に毎年数十億ドルの新しい収益機会を生み出しています。
 
多くの人は、皮膚パッチといえば、薄くて皮膚に非常になじみやすい形状をしていると想像するかもしれませんが、実際には、主流の製品の多くはまだ相当な大きさをしています。将来的には、柔軟性と伸縮性を備えた共形的な電子部品を利用して、これを変える方向での開発が行われます。これは重要なことです。なぜなら、皮膚パッチは連続的なモニタリングを行うために長期間装着されるからです。そのため、利便性は極めて重要です。さらには、伸縮性のある電子機器を用いると、ユーザーの快適性を損なわずに、より多くの電極やより長い電極を組み込むことができるため、皮膚パッチの感知範囲が広がります。
 
導電性インクが、この長期的なトレンドの実現要因です。実際、全体または一部がプリントされた皮膚パッチが、心臓血管、糖尿病性足病変、体温、呼吸、血中酸素測定、湿度/水分のモニタリングや、筋肉のシミュレーション・センシングの分野で市販されています。こういったプリント部品には、ほぼ必ず導電性インクが使われています。この用途においては、インクに対して伸縮性以上のものが求められ、過酷なヒドロゲルに耐える能力、弱い信号を拾う高い導電性、伸縮性のある基板への接着力などが要求されます。こうした領域に早くから十分に取り組むことで、実を結ぶことになるでしょう。
 
電子皮膚パッチ業界に関する詳細は、IDTechExの調査レポート『電子皮膚パッチ 2020-2030年』を、ご覧ください。 この調査レポートでは、業界の全体的な傾向、市場規模、ビジネスダイナミクスについて知ることができ、皮膚パッチビジネスについて学ぶことができます。主要企業の情報も得ることで、さらに、導電性インクがこの分野で果たす役割を評価することができます。
E-テキスタイル
e-テキスタイルの利用成熟度のスナップショットは、パイプラインが強固であることを示しています。スポーツ上級者用のバイオメトリクス(チェストストラップやアパレル)、衣類の加温、イルミネーション付きアパレル、ファッション性の高いe-テキスタイルアパレル、カーペット用圧力センサーなどの用途は、初期の商用販売段階から市場に完全に浸透する段階にまで来ています。開発初期段階にある用途も多くあり、パイプラインに厚みをもたらしています。
 
それでも、多くの課題があります。標準規格がなく、明確に定義された製品に対する要求事項さえありません。同一地域で製造しているため、効率は向上しているものの、サプライチェーンは未成熟です。まだ、必要な製造ボリュームが少ないがために、小規模な企業やプロジェクトチームが生き残れているのです。しかしながら、大量生産が可能なことを実証する成功事例はまだわずかです。ただし、それを妨げる致命的な問題はありません。
 
e-テキスタイルで導電性を得るための技術的な選択肢は複数ありますが、ストレッチャブル導電性インクが有力になりつつあります。生産後に追加加工が可能なため、製造プロセスに変更を加える必要がほぼありません。デバイスの形状と特性についても、ファイバーベースのソリューションより適切に制御することができます。さらにこのインクは、他の多くの代替ソリューションよりも高い伸縮性を提供します。
 
インクの性能は長年をかけて向上しており、インクの伸長に起因する導電率の変化は、はるかに抑制されて予測可能なものになっています。基板/封止剤の特性とインクとの関係性はよく知られており、最適化されています。現在、各種ニーズに対応するためにさまざまな配合のものが存在します。耐洗浄性の数値も改善されましたが、これは主に封止剤によって決まるものです。
 
全体的に見ると、2015/2017年頃にサプライヤー数が急増しました。これらのサプライヤーは、市場に種をまき、アプリケーションを探索し、ビジネスケースを苦心して探し出し、それ以外のケースを排除しました。このように、部品あたりの消費量が少ないため、継続的なアプリケーションパイプラインが必要となり、成長を維持することは容易ではないのですが、ビジネスは成長する可能性が高いと考えられています。
 
e-テキスタイル業界に関する詳細は、IDTechExの調査レポート『E-テキスタイルおよびスマート衣料 2020-2030年:技術、市場および有力企業』を、ご覧ください。 ここでは、e-テキスタイル市場全体を形成する最新のダイナミクスを理解することができます。併せて、インク技術を進化させてきた主要な技術革新と技術改善を理解することができます。主要なサプライヤーと過去と現在の製品やプロトタイプについても学ぶことができます。
 
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