インモールドエレクトロニクス:シンプルな用途からスタートし、10億ドルの市場規模へ

インモールドエレクトロニクス:シンプルな用途からスタートし、10億ドルの市場規模へ

インモールドエレクトロニクス:シンプルな用途からスタートし、10億ドルの市場規模へ
インモールドエレクトロニクス(IME)は、いつの日か、発達したエコシステムと成熟し、しかも扱いやすい設計・製品化ワークフローを備えたプロセスとして定着するでしょう。このプロセスは、多くの新しいストラクチュラルエレクトロニクス設計・製品の基礎となるでしょう。この技術を製造につなげるプラットフォームの変革には、さらに長い時間がかかるでしょう。これはいつ、どのようにして実現するのか、よく聞かれます。この記事では、IDTechExのリサーチディレクターであるDr. Khasha Ghaffarzadehが、いくつかの洞察と分析を紹介します。この分析はIDTechExの調査レポート『インモールドエレクトロニクス 2020年-2030年: 技術、市場予測、主要企業』から引用されていますが、これはIMEやインク、ピックアンドプレース、印刷などの関連技術に関する長年の研究の結果です。
 
IMEには多くの明確な利点があります。ボードを不要にし、配線と光導波路を構造的に統合し、スペースを節約し、今までにない薄くて軽量な3次元形状設計が可能になります。ここで考察しているように、コンシューマー製品、白物家電、自動車の内外装向けの市場があります。長期的に見て、この市場は成長するであろうとIDTechExは考えています。実際、グローバルな調査会社であるIDTechExでは、立ち上がりはゆっくりであるものの、この市場の規模が2029年までに10億ドルを超えると予測しています。さらに詳しくは、『インモールドエレクトロニクス 2020年-2030年: 技術、市場予測、主要企業』をご覧ください。
 
Figure 1: Figure showing IDTechEx market forecasts. Here, the categories shown include automotive, white goods, and other, which includes consumer electronic applications. For more information, please visit www.IDTechEx.com/IME.
現在のレベルのIMEの実現でさえ、多くのイノベーションが必要でした。IMEにおける導電性インクは、耐伸性を備え、PCなどの基板に付着し、他のスタック材料と調和し、成形の条件や現場での運用条件に耐えられるように開発されてきました。特殊な接着剤が、プロセスや運用条件にも耐えられるように開発されています。この光を拡散させる薄い光導波路が実証されたことで、設計上で新しい特色を出せるようになり、ユーザーからのフィードバックを受けられるようになりました。重要なことは、このエコシステムが、最良の設計ルール、適切な材料スタック、最適化された硬化・成形条件、対応するICパッケージの仕様などについて何年もかけて学習し、ノウハウを蓄積してきたということです。それにもかかわらず、生産をスケールアップして歩留まりを高め、(市販後に修理サービスを提供できそうにない場合に必要となる)製品の長寿命化を図るには、学ぶべきことがまだまだあります。
 
エコシステムも一体となりつつあります。材料サプライヤーは非常に積極的であり、早くからこの技術開発サイクルに参加し、その調合能力を売り込んでいます。加工業者や委託製造業者は、参入までに時間がかかりました。ですがこれは今、変わりつつあります。一部のIMD企業は、IME装置を導入しています。メンブレンスイッチなどを扱う企業の一部は、装置セットを拡張しています。今日では、2022年以降に自動車市場にサービスを提供できるようにラインへの投資を実際に実施している企業もあります。自動車関連では、ティア1の部品メーカーと自動車メーカーが参入して多くの試作品を開発しており、その一部は現在、認定の段階を進んでいます。当然ながら、すべての自動車メーカーが確信を得ているわけではなく、多くは実際の市場での検証を待っています。さらに詳しくは、『インモールドエレクトロニクス 2020年-2030年: 技術、市場予測、主要企業』をご覧ください。本調査レポートでは、最新の進捗状況を概説し、材料サプライヤーをはじめとするすべての主要プレーヤーを概観しています。
 
最初の市販製品は、2012/2013年に発売されたフォードのオーバーヘッドコンソールです。このサクセスストーリーは、不具合により製品がリコールされたため、すぐに頓挫してしまいました。根本原因は公式には確認されていませんが、一般的には湿気の侵入による計器の不具合が原因とされていました。このよく知られた話は、長年にわたる市場の需要を示しています。また、自動車関連が実現可能な大型市場であることもあらためて強調するものです。フォルシアを取り上げた添付の図は、各自動車内装部品の実現可能な最大の市場規模を示しています。これらの製品はすべて、IME対応設計の改良によりメリットが得られる可能性があります。このフォードの話はまた、コストを節約するために、材料スタックを単純化したりや重要な工程段階を減らしたりするなどして切り詰めてはならないことを示しています。また、使用中に予期せぬパフォーマンスの変化を起こさない特性を備えた材料の重要性についても浮き彫りにしています。
 
Figure 2: The table is adopted from data from Faurecia. It shows the estimated addressable market (not actual IME market) in 2020 and 2025 in millions of Euros. The examples in the left side of the figure adjacent to the table also show examples of current benefits in which IME may help. The image on the right side of this figure shows IME or similar, e.g., film insert, products. From top to bottom, the first is a seat-controller developed by Geely, the second is a HVAC control panel developed by PolyIC, the third one is a LED cover heater by ADS, and the fourth one is a transparent heater using carbon nanobuds by Canatu. For more information about the latest developments, technology trends, ecosystem analysis, and market projects please visit www.IDTechEx.com/IME.
今後の市場の展開は、よりシンプルな製品の方からスタートしそうです。その一例が自動車外装部品です。この分野における新しい例は、省エネLEDライトの採用ともにライトカバーに埋め込まれた霜取りヒーターです。こうした製品は、後付け品として既に購入可能です。自動車関連のもう1つの例が内装部品です。この分野では、微細金属メッシュと導電線で印刷された透明なホイルが3次元形状に密着し、HVAC制御盤を作ります。このプロセスは、標準的なIMEと非常に似ています。さらにもう一つの興味深い例は、カーボンナノ構造体(カーボンナノバッド)を使用して、先進運転支援システムやカメラ・ライダーなどの自動運転用知覚センサーで使うための立体形状でむらのない透明ヒーターを作ることです(図2)。また別の例として、シンプルなインターコネクトが成形されたウェアラブル・コンシューマー製品があります(図2:赤い点線で囲んだ箇所)。この製品は既に製造中であると噂されていましたが、IDTechExのアナリストは現在、これが事実ではないと考えています。最近では、IMEを利用した遠隔ドアロックスイッチが発表されました(図2:赤い点線で囲んだ箇所)。全般的に、市場に登場した(あるいは登場間際であった)第一世代の製品は、よりシンプルなIMEを用いているように見えます。もちろん、試作品に関しては、複数のLED、 光導体、多数のタッチスイッチやスライド、NFC アンテナなどを組み込んだ複雑なシステムが実証されています。これらは、将来の開発における方向性を示しています。.
 
Figure 3: Examples of various prototypes and products. References to the ones encircled with dotted red lines are made within the article. For more information, please visit www.IDTechEx.com/IME.
 
全体的に見て、この市場は製品の生産に向けて性質を変え始めています。IDTechExの予測では、この市場は2023/2024年から成長を加速させ、よりシンプルな面積の小さいデバイスから始まって、より厳しい信頼性要件を備えた、より複雑でより面積・量の大きな用途に向かって進んでいくと見ています。 この技術、主要な課題とイノベーションの機会、バリューチェーン全体のすべての主要プレーヤー、最新の試作品と製品、既存および将来の市場予測についての詳細は、『インモールドエレクトロニクス 2020年-2030年: 技術、市場予測、主要企業』をご覧ください。
 
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東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル21階
担当:村越美和子  m.murakoshi@idtechex.com
電話 : 03-3216-7209
 
Top Image: Tactotek at IDTechEx Show USA 2019