印刷式温度センサーの時代、ついに到来か?

印刷式温度センサーの時代、ついに到来か?

close up of three different printed and flexible sensors
温度センサーと言えば、昔ながらのガラス温度計や、ひょっとすると小型のサーミスタなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、薄膜形状でありながらも空間分解能を提供する、新しいタイプの温度センサーが次々に登場しています。
この新しいタイプの温度センサーは溶液処理可能な半導体でできており、その半導体がパッシブマトリックス型アーキテクチャの導電性の格子の間にコーティングされています。温度を検出する半導体の層と導体の両方をPETなどのフレキシブルな基板の上に印刷できるため、さまざまな形状やサイズのものを低コストで製造できるようになります。

なぜ、今?

空間分解された温度分解能を低コストで提供できることを考えると、印刷式温度センサーがまだ普及していないことには驚かれるかもしれません。 IDTechExは2つの理由があると考えます。
 
まず最初に既存の温度センサーは安価でわかりやすく、非常に小型です。従来の無機サーミスタや白金の測温抵抗体(RTD)は確かにフレキシブルではありませんが、一般的に非常に小さいため構成部品やデバイスに組み込む際にフォームファクタの制約を受けません。
第二の理由として、熱拡散がかなり遅いことがあります。これは通常、温度勾配が非常に緩やかであることを意味します。力や光強度などの空間的変化と比べると間違いなく緩やかです。そのため多くの場合、微細な空間分解能を備えた測定を導入する必要がありません。これは熱伝導層に埋め込まれた少数のサーミスタやRTDで同等の情報を得られるためです。
 
しかしながらこれらの要素が両方とも変わらない限り、新しい用途分野は空間分解された温度測定、低コストのロール・ツー・ロール(R2R)製造、フレキシブルな薄膜形状を組み合わせたものとなります。印刷式温度センサーの需要は今後10年間で大きく伸びると予測されており、この技術を開発する企業の数も増えています。

電気自動車のバッテリーモニタリング

電気自動車(EV)の普及が進むことはほぼ確実で複数の政府が将来的に自動車の内燃機関の販売を禁止することを決定しています。この技術的転換はすでに電池メーカーに大きなチャンスをもたらしています。
スマートフォンを熱や寒さにさらすとバッテリー残量が急減することに気付いたことがある方なら証言してくださると思いますが、熱管理はバッテリーにとって非常に重要です。バッテリーは狭い温度範囲内で最適に機能する一方で、熱くなった箇所が異常を早期に知らせてくれます。
 
必要に応じて加熱や冷却の調整を行うためにバッテリーの温度状態を把握するには、当然ながら温度センサーが不可欠です。印刷式温度センサーはこの目的に最適です。軽量、薄型で安価に量産でき、パウチセルとの適切な熱的接触を提供できるためです。また、薄膜ヒーターと一緒にラミネート加工することで一体型の熱管理ソリューションを生み出すこともできます。

ヘルスケア用途

印刷式温度センサーは、ヘルスケアの分野でも大いに期待されています。この分野で重要となる特性はコンフォーマル性です。印刷式の薄膜センサーは皮膚の曲面に合わせることができるためです。実際、継続的なヘルスケアモニタリングへの関心は高まっており、多くのタイプの印刷式センサーに大きな機会をもたらすでしょう。その中には心拍数や体温といったさまざまなパラメータを継続的に追跡することによる遠隔患者モニタリングの実現も含まれます。
 
印刷式温度センサーに関して現在検討されている具体的なヘルスケア用途の1つが、創傷モニタリングでしょう。治癒の過程には血流の増加とそれによるわずかな体温上昇が伴うからです。そのため、印刷式温度センサーで得られる空間分解能により傷の具合を経時的に追跡できるようになります。

さらに詳しくは

印刷式温度センサーを含む広範囲のプリンテッド・フレキシブルセンサーについては、IDTechExの調査レポート『プリンテッドおよびフレキシブルセンサー 2022-2032年:技術、有力企業および市場』をご活用ください。
本調査レポートでは、ピエゾ抵抗センサー、圧電センサー、プリンテッド光検出器、温度センサー、ひずみセンサー、静電容量式タッチセンサー、ガスおよび湿度センサー、糖尿病管理のためのバイオセンサーフレキシブルウェアラブル電極、マルチパラメータセンサー、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス(FHE)回路におけるプリンテッドセンサーなどを取り上げています。
 
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