RFID市場は2036年までに230億ドル規模に達する見通し

RFID市場は2036年までに230億ドル規模に達する見通し
現在の市場状況と展望
 
世界のRFID市場は2025年も拡大を続ける見込みです。IDTechExは、2024年の150億ドルから2025年には156億ドルに達し、2036年には230億ドル規模まで成長すると予測しています。この市場規模には、RFIDラベル、カード、キーフォブなど各種形状のタグだけでなく、パッシブ型・アクティブ型RFIDタグ、リーダー、ソフトウェア、各種サービスも含まれます。IDTechExは、これまで20年間にわたりRFID業界を調査してきました。最新のRFID市場調査レポート「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」では、RFID技術、用途、有力企業、市場について包括的に分析しています。本記事では、レポートの分析に基づき、RFID市場の見通しと地域別の動向について解説します。
 
UHF帯セクターでは、RFIDタグの出荷量でトップを占める小売向けタグが安定した成長を続けています。IDTechExの調査によると、2025年にはアパレル小売業界だけでも310億個を超えるRFIDタグが必要になる見込みですが、アパレル関連の総獲得可能市場のうちRFIDが占めるのは40%程度に過ぎず、まだ成長の余地があります。さらに、ウォルマートのアパレル商品以外へのタグ付け義務化が追い風となり、一般小売市場も引き続き成長していくとIDTechExは予測しており、このセクターでは今後も出荷量の大幅な増加が見込まれています。
 
非接触型決済、輸送、入退室管理などの用途が追い風となり、HF帯セクターでは依然として非接触型カードの好調が続いており、2025年には31億4000万枚のカード需要が見込まれています。しかし、モバイルウォレットの普及が進むにつれ、非接触型カードの需要は減少するとIDTechExは予測しています。
 
LF帯セクターにおいては、動物へのタグ付け(豚、羊、ペットなど)が依然として重要な位置を占めています。これは、今なお多くの地域で動物へのタグ付けが法的に義務化されているためであり、2025年もこのセクターで約9億3000万個のタグが使用されると見込まれています。
 
IDTechExは、市場全体でパッシブ型RFIDタグの売上が、2024年の500億個から2025年には前年比10%増の約550億個に達すると予測しています。この成長は主にパッシブ型UHF帯RFIDラベルによるものです。
 
しかし、2025年のUHF帯タグ(RAIN RFID)売上(金額ベース)は、HF帯タグ売上(NFCを含む)のわずか60%に過ぎません。商品に貼付するUHF帯タグ(RAIN)は大半が使い捨てで安価であるのに対し、セキュリティ用途(決済、入退室など)で使用されるHF帯タグは価格が高いためです。とは言うものの、UHF帯市場の活発化とHF帯市場の衰退により、タグの売上総数の差は縮まりつつあります。
 
RFID市場規模 2024年-2031年。出典: 「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」 IDTechEx
 
地域別の成長機会と市場分布
 
パッシブ型RFIDタグ市場規模の最終消費地域別の分布状況について、IDTechExは調査レポート「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」の中で詳細に解説しています。この分析では、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋、中東・アフリカ(MEA)の4つの主要地域に焦点を当てています。
 
2025年は南北アメリカとアジア太平洋がパッシブ型RFIDタグの2大市場となっており、南北アメリカが世界の最終消費の38%を占め、アジア太平洋が37%と僅差で続いています。全世界でのUHF帯タグ消費量の60%以上を占めるUHF帯RFIDの採用が堅調なこともあり、南北アメリカがわずかにリードしています。その主な要因は、ウォルマートやUPSなどの企業によって、小売からアパレル、物流にわたるまで導入が拡大されているためです。アジア太平洋の市場規模は、非接触型カードでHF帯RFIDがこれまで大量に使用されてきたことによって支えられていますが、この地域ではモバイルウォレットの利用拡大によってカード発行枚数が減少傾向を見せ始めたことから、2024年から2025年にかけてHF帯タグの消費量が7%近く減少しています。
 
ヨーロッパは、パッシブ型RFID市場全体で3位に付けており、2025年も世界の最終消費の20%を占めています。ヨーロッパ市場は主にUHF帯RFIDによって牽引されており、世界でのUHF帯最終消費の30%近くを占めています。小売やアパレルといった分野での大規模導入の他、将来的に施行される規制変更(2026年から特定の製品カテゴリーに対して製品ごとのトレーサビリティを義務付けるEUのデジタル製品パスポートなど)も成長を支える要因となっています。
 
中東・アフリカ地域は、パッシブ型RFIDの市場としては規模が最も小さい上に普及率も最も低く、2025年の世界の最終消費に占める割合は4%にとどまっています。この地域で最大のRFIDセグメントはHF帯であり、決済システムのデジタル化、キャッシュレス化、非接触型カードの普及拡大がその主な牽引力となっています。
 
地域別の詳細な分析や市場動向は、調査レポート「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」でご覧いただけます。
 
 
地域別パッシブ型RFIDタグ(2025年)。出典 : 「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」IDTechEx
 
IDTechExの最新調査レポート「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」では、パッシブ型RFID(UHF帯、HF帯、LF帯)、バッテリーアシスト型パッシブ、アクティブ型RFID、チップレスRFID技術を含む業界の包括的な分析を提供しています。本レポートは、バリューチェーン全体の主要業界関係者へのインタビューによる一次データ(集約分析のため、機密保持契約に基づき機密データを提供いただきました)と広範な二次調査に基づき、独自の評価を提供しています。IDTechExの長年にわたる専門知識を活かし、他の情報源にはない詳細な予測と洞察を掲載しています。
 
さらに詳しくは、IDTechExの調査レポート「RFID 2026-2036年:予測、有力企業、機会」でご確認ください。該当ページからサンプルページがダウンロードできます。

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