世界のドローン市場は2036年までに1,400億ドル規模に達する見通し
2025年12月12日
Shihao Fu
商業用途の拡大に伴い、世界のドローン市場は 2036年までに1,400億ドルを超える見込み
ドローンは、実験的ツールから、農業、物流、エネルギー、警備、公共分野の各業務に不可欠なインフラへと変化してきました。IDTechExの最新調査レポート「ドローン市場 2026-2036年:技術、市場、機会」では、民生用、商用、防衛用の各種機体を含む世界のドローン市場が、2026年の約690億ドルから2036年には1478億ドル規模に成長する(年平均成長率7.9%)と予測しています。
この成長は、商用利用の加速、規制当局の承認ルート拡大、多数業界におけるデータ駆動型・自律的運用のドローン登場を反映しています。収益面では防衛分野が依然として最大の割合を占める一方で、規制の明確化、ハードウェアコストの低下、高度化が進む搭載センサーに後押しされ、商用分野が最も急速な構造変革を遂げています。商用ドローンの出荷台数は、2036年までに年間900万台を超えると予測されており、単発的な導入からスケーラブルで再現性のあるワークフローへと市場が移行していることを示しています。

世界のドローン市場収益予測(2021年〜2036年)出典:IDTechEx
農業、点検、配送、公共安全での商用利用が本格化
農業は、中国、アメリカ、東南アジアを中心に急速にデジタル農業の時代へと突入しており、2025年までに世界の大規模農場の30%以上が、散布、播種、作物監視などの作業にドローンを利用すると見込まれています。現在の主流はマルチローター型ドローンですが、固定翼機やハイブリッドVTOL機も広域地図作成や長距離自律飛行の業務で存在感を強めています。風力タービン、送電線、パイプライン、産業資産を対象とする保守点検は、最も急速な成長を遂げている商用セグメントになりつつあります。LiDAR、サーマルカメラや、AIによる欠陥検出を搭載するドローンは、高コストで危険を伴う人手による点検に取って代わろうとしてます。2025年以降、ドローン・イン・ア・ボックスのシステムやクラウドベース分析を含む自動化した点検ワークフローを導入する運用事業者が増加する見込みで、このセグメントが2030年までに商用ドローン収益の25%以上を占める見通しです。
配送用ドローンも、実証実験の段階から地域レベルでの商用化の段階へと移行しつつあります。アメリカ、ヨーロッパ、中国の各地企業は、自動積載、コールドチェーン輸送、U-スペース/UTMとの連携での技術発展に支えられながら、ラストマイルと中距離の両方の物流ルート拡大を進めています。公共安全や警備分野も依然として堅調であり、ドローンが監視、交通モニタリング、捜索救助、緊急対応を支援しています。一方、防衛分野は、偵察ドローン、戦術機、徘徊型兵器に対する需要の増加が追い風となり、依然として市場全体の収益において最大の割合を占めています。
規制の整合化とセンサー急増が次の成長段階を牽引
世界のドローン規制は、リスクベースの枠組みで統一する方向にまとまりつつあります。アメリカ(第107部と新設される第108部/146部)、EU(C0~C6クラスとSTS(標準シナリオ))、イギリス(CAP722)、中国は、いずれも商業運用に向けてより明確なルート(特に長距離物流と自動点検ネットワークの中核を成すBVLOSに関するもの)を整備しています。主な規制のテーマとしては、120メートル前後の高度制限、登録とパイロット認定の義務化、BVLOSや人の上空での飛行に対する規則の強化、空域への進入を管理するデジタル認証システムなどが挙げられます。
同時に、センサー急増に伴い、ドローンのペイロード設計も一変しつつあります。商用ドローンの出荷台数が2025年から2036年にかけて2.3倍に増加すると予測されているのに対し、センサーの出荷数は4倍に増加する見通しであり、搭載密度を高めたマルチセンサー構成への移行が浮き彫りになっています。2036年までに多くの産業用ドローンが、マルチカメラビジョンシステム、高性能LiDAR・レーダー、超音波モジュール、気圧高度計や、高い信頼性が要求される業務向けの冗長IMUなどのセンサーを1機当たり10~15個搭載することになると予想されています。こうしたセンシング能力の向上により、各商業分野において自律飛行性能の強化、安全性の向上、運用形態の複雑化が可能となります。
包括的な市場予測、機体種類、センサー分析、8つの主要応用分野のシナリオベースの見通しの詳細については、IDTechExの調査レポート「ドローン市場 2026-2036年:技術、市場、機会」でご確認ください。該当ページからサンプルページがダウンロードできます。IDTechExのロボットに関連するレポートは、こちら でご覧いただけます。
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