CCUSの回収能力は2045年までに年間2.5ギガトンに到達

CCS facilities capture carbon dioxide emissions from industrial processes and power plant, securely storing them underground to mitigate climate change
二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)技術は、二酸化炭素(CO2)を廃ガスや直接大気から取り除き、地中に貯留、または各種産業用途に使用したりする技術です。CCUSは、CO2の大気中への蓄積を防ぐことで、既存の化石燃料資産を脱炭素化するすぐに利用可能なアプローチです。同時に、ブルー水素やBECCS(バイオマス発電と二酸化炭素回収・貯留を組み合わせた技術)といった新たに登場した持続可能な産業セクターの成長を実現するアプローチでもあります。IDTechExは新しい調査レポート『二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場 2025-2045年:技術、市場予測、有力企業』で、CCUSの回収能力は2045年までに年間2.5ギガトンに達すると予測しています。
 
加速するCCUSの普及
 
十分に確立し、成熟した炭素回収技術ですが、CO2回収に伴うコストの高さにより、これまでCCUSの大規模な導入は妨げられてきました。溶液再生工程でのエネルギー損失が大きいことがその理由です。CCUSが、2050年までのネットゼロ目標を達成するのに必要なレベルまでに到達するには、コストを削減する革新的な新しい回収ソリューションが必要になるでしょう。そこで、新たな溶液、吸着剤、膜、深冷分離法、酸素燃焼設計といった代替の点源回収技術の開発が進んでいます。本レポートには、すべての主要炭素回収技術の分析、ベンチマーク評価、有力企業や最新の進歩を掲載しており、個別の排出シナリオに最適な技術を選択できるようになっています。
 
コスト削減と並行して、政府によるカーボンプライシング制度(EU ETSや米国の45Q税額控除など)やCO2有効利用の新たな用途が追い風となり、CCUSに対する経済的インセンティブの導入も増えています。CCUSの大規模導入には採算性の実現が不可欠です。IDTechExが分析したところ、現在の規制状況においても採算の取れる炭素回収がすでに可能なセクターがいくつかあります。カーボンプライシングは世界中で拡大を続け、CCUSの市場潜在力を後押しすることが期待されています。
 
CCUSビジネスモデルのパラダイムシフト
 
これまでCCUSプロジェクトでは、単一の組織がCCUSのバリューチェーン全体(回収、圧縮、輸送とその後の有効利用・貯留)を管理するフルチェーン型の手法が採用されてきましたが、IDTechExが今後のCCUSプロジェクトを分析したところ、細分化された新しいCCUSビジネスモデルが間もなく登場することが明らかになりました。石油・ガス企業が既存の専門的知識とインフラを活用してパートチェーン型のCO2輸送・貯留サービスの提供を開始するもので、排出事業者はプロジェクト開発を進めやすくなります。
 
The CCUS バリューチェーン  Source: IDTechEx
CCUSの主な産業用途
 
産業においてCCUSは、既存の産業資産を脱炭素化する後付け可能な手段です。いずれはより環境に優しいソリューションが登場するかもしれませんが、すぐに利用可能な技術を使用するCCUSは、過渡的な足掛かりとして排出量削減をすぐに実現できます。例えば、再生可能エネルギーによる発電は化石燃料による発電所にいずれ取って代わることになるでしょうが、その移行には時間がかかります。その一方でCCUSは、既存の発電所の迅速な脱炭素化が実現可能です。
 
バイオエネルギーやブルー水素といった新たに登場した持続可能なセクターもCCUSから恩恵を受ける可能性があります。バイオエネルギーは、高温を発生させるために化石燃料を使用する産業プロセスを脱炭素化する有望な候補です。炭素回収と組み合わせることでさらなる排出量削減につながります。また、水素経済の発展は世界の脱炭素化の鍵を握る手段と考えられており、化石燃料を用いる水素製造方法にCCUS技術を加えることで、水素製造の成長に弾みがつき、より環境に優しい電解槽技術が成熟するまでの間、インフラを整備できる可能性があります。 IDTechExは新しい調査レポート『二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場 2025-2045年:技術、市場予測、有力企業』では、CCUS導入の最大の機会がある産業セクターを明らかにし、セクター特有の推進要因と障壁を解説します。
 
点源で回収された CO2の産業セクター別割合の変化(今後20年間の内訳) Source: IDTechEx
 
包括的分析と市場予測
 
調査レポート『二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場 2025-2045年:技術、市場予測、有力企業』は、新興のCCUS産業と炭素市場に関する包括的な展望を提供し、今後20年間でCCUS産業を形成することになる技術、経済、規制、環境面の詳細な分析を行っています。二酸化炭素回収、二酸化炭素有効利用、二酸化炭素貯留の各技術を評価し、各分野の最新の進歩、有力企業、機会、障壁を解説します。本レポートには、CCUSのCO2回収能力(CO2利用方法別、点源回収か直接空気回収かの回収方法別、さらには5つの産業セクター別に細分化)の今後20年間(~2045年)の詳細予測の他、独自の分析、取材に基づく80社以上の企業概要を掲載し、350社以上の企業を取り上げています。
本レポートで次の疑問への回答を準備しています。
  • What is CCUS, and how can it be used to address climate change?
  • Where is CCUS currently deployed?
  • Which industrial applications are most suited for CCUS technologies?
  • What is the market outlook for CCUS?
  • What are the key drivers and restraints of market growth?
  • How can carbon pricing schemes and other incentives help scale up CCUS?
  • How much does carbon capture technology cost?
  • What can carbon dioxide be used for industrially?
  • Where are the key growth opportunities for carbon dioxide utilization?
  • Who are the key players in CCUS?
  • Can CCUS help the world meet its climate ambitions?
 
CCUS市場の最新状況を理解するために、IDTechExの調査レポート 『二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)市場 2025-2045年:技術、市場予測、有力企業』をご活用ください。リンク先からサンプルページがダウンロードできます。
 
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<開催概要>
開催日時: 2024年8月1日(木)10時もしくは18時から 30分間
開催方法:オンライン
参加費:無料(事前登録制)
 
当日カバーする内容(予定)
  • 採算の取れるCCUSビジネスモデルの過去(石油増進回収との組み合わせ)、現在(政府からの多額の補助金)、未来(カーボンプライシングと新たな有効利用)を考察
  • CCUSバリューチェーンの細分化によって技術の導入がどのように加速するかを解説
  • 新旧の点源回収技術を明らかにし、個別技術がどのような条件下で優れているかを判定
  • 世界の脱炭素化の歩みと2050年までのネットゼロ達成目標を踏まえながらCCUSを解説