導電性インクマーケット2018年-2028年:フォーキャスト、テクノロジー、プレイヤー
2018年2月14日

IDTechExの最新のレポート 導電性インク 2018年-2028年 (Conductive Inks 2018-2028)では、導電性インクとペースト市場の最も包括的で信頼できる見解を提供し、アプリケーションと材料別に10年間の市場予測を細分化して提供します。 フォーキャストはインクレベルでトン数と価格で表示します。
提供される情報は長年の調査に基づいています。 過去5年間ではアナリストは100人以上の業界関係者をインタビューし、世界中の多くのユーザー/サプライヤーを訪問し、世界45ヵ国以上の関連会議/展示会に出席しています。また多くの企業に対して戦略的なアドバイスを続けてきました。これに先立ちIDTechExアナリストは、特に太陽光発電業界における導電ペーストの商業化に積極的な役割を果たしました。
IDTechExの調査レポートは日本法人 アイディーテックエックス株式会社が販売しています。担当者までご連絡ください。見積書、請求書を発行いたします。担当:村越美和子 090-1704-1184 m.murakoshi@idtechex.com
完全な全体像とアプリケーションの細分化
本レポートには焼成ペースト、PTF、レーザーカット/フォトパターン・ペースト、ナノ粒子、ストレッチャブルインク、インモールドインク、銅、銅/銀合金、ナノカーボン等を含むすべての競合導電インクおよびペースト技術のクリティカルレビューが含まれています。また最新パフォーマンスの水準・進化、技術的課題、主要サプライヤー、既存/新興のターゲット市場の概要を説明し必要に応じて将来の動向を予測しています。さらに2018年は銀ナノ粒子市場の成長に極めて重要な年であるとの観点から今年は関連特集も組まれています。
本レポートでは27を超えるアプリケーション分野を詳細に評価しています。その中で市場のニーズや要求事項を分析しビジネスダイナミクス、市場リーダーと技術変革の傾向、競合ソリューション、最新の製品/プロトタイプのローンチ、主要プレーヤー、市場予測(量と金額)について考察します。
本書で取り上げる既存/新興分野:太陽光発電、コンフォーマルオンチップEMIシールディング、焼結型ダイアタッチペースト(ナノ)、e-テキスタイル/ウェアラブルインク、IMEインク(自動車、家電)、タッチスクリーンの端面電極、ITOの代替技術(ハイブリッド法、ダイレクト法等)、自動車(内外装、シートヒーター、着座センサー等)、3Dコンフォーマルアンテナ、3Dプリンテッドエレクトロニクス、RFID(UHF/HF)、有機EL照明と広域LED、導電ペン、PCB印刷(プロフェッショナルと愛好家)、電子書籍リーダー、広域ヒーター(バッテリー、プラント、シート等)、デジタイザー、プリントロジックとメモリー、積層セラミックコンデンサ(MLCC)、センサー(ピエゾ抵抗、容量性、グルコース)他。
本レポートでは、130社を超える企業を取り上げその大部分についてインタビュー、訪問、会議や展示会での交流、個人的なコミュニケーション等を通じて入手した一次情報に基づく知見を提供します。また50社以上については、詳細なSWOT分析とIDTechEx インデックスを含む、インタビューに完全に基づく企業プロフィールを提供します。
直近の新たな傾向
昨年中国の需要によって牽引された太陽光発電産業の記録的なブームのおかげもあり、導電インク業界は活況でした。こうした上げ潮はマーケットシェアの如何にかかわらず全プレーヤーを押し上げました。実際バリューチェーンに関わる多くのプレーヤーがこうした需要増大にフル稼働もしくはそれに近い形で対応していました。
しかしながら導電インク業界は今なお多様化に向けた動きを進めています。強力な競争圧力が続く太陽光発電産等の成熟産業への過度な依存を軽減しようと次なるブームを見つけることが狙いです。
このためサプライヤーは台頭しつつある潜在力の高い市場に参入しようとできるだけ幅広い製品ポートフォリオを構築してきました。現在このプロセスは最高潮に達し今年は複数の市場が商業的な結実に向け移行しています。
タッチスクリーンの端面電極市場は長期のベゼルのスリム化トレンドによって形成される傾向がさらに続きます。この傾向はレーザーカットおよびフォトパターン・ペーストの実現の呼び水となりました。しかしながらその軸足の大部分はコストにシフトしたためマーケットシェアの維持、新規参入者の阻止、スパッタリングの抑制のためにサプライヤーは大幅な値下げを強いられました。
ストレッチャブルインクはここ数年積極的な商業化モードが続いています。この時期にサプライヤーの数は世界中で増殖し技術や価格の差別化が損なわれていますが、その一方で市場創出の加速化も進んでいます。各種製品はすでに販売され大部分のサプライヤーは今年、顧客による適格認定の拡大を期待しています。
インモールドエレクトロニクス(IME)も商業化に移行しつつあります。ここ数年の導電インクサプライヤーの増加は、ストレッチャブルインクの現場の発展を映し出すものです。商業的な軸足は市場の開拓やプロトタイプによる実証から大量生産や信頼性の証明、ならびにIPの潜在的課題の解決にシフトしています。
スプレー式コンフォーマルオンチップEMIシールドコーティングは熱い分野です。主要プレーヤーの間ではスパッタ皮膜はすでに普及していますが、ペーストメーカーは、現在非真空で低設備投資の広域かつ高処理量のスプレープロセスをベースにした説得力のある選択肢を積極的に提供しようとしています。中国をはじめとする中小規模のデバイスメーカーとの関与は極めて活発ですが、大手ブランドが当該技術を是とするかどうかが今年の大きな疑問点です。
高熱伝導ダイアタッチペーストは支持を得ています。電動/コネクテッド/自律型の自動車の増加は高電力かつ高温エレクトロニクスの需要拡大につながります。期待できるトレンドは焼結温度を下げ外部圧力の必要性をなくすためにナノまたはハイブリッドの銀フィラーを使用することです。この技術は大きな成功を目前に控え、土壇場でのサプライズがなければ、今年、電動自動車メーカーに採用される公算が大きいです。
産業用エアロゾル機の設置基盤は拡大し、アンテナの3D印刷用インクの販売機会の増加につながっています。ダイレクト印刷のメタルメッシュは技術的進歩が加速しライン幅5um未満を実現するための限界を克服しています。実際、小規模の商業生産は始まっています。ただし主要市場へと成長するためにはいくつの課題が残されています。ハイブリッドメタルメッシュは今後も「止まっては前に進む」を繰り返し、家庭用透明アンテナ等のユースケースに拡大していきます。
愛好家(DIY市場)向けレベルのデスクトップPCBプリンターの設置基盤は拡大しましたが、利用率すなわち物的消費は低い状態です。プロフェッショナルマルチレイヤプリンターの正式版(vsベータ版)も販売開始されていますが市場普及は始まったばかりです。PCB業界の「Print-seed-and-then-plate」アプローチについても既存プロセスと比べてコストやパフォーマンスの効果が不透明であることから大部分が保留となっています。しかし、銅インク等で印刷したPI基盤はFPCBアプリケーション用に積極的に推進されています。このアプローチは、表面被覆率が低い(20%未満)場合にコスト面でのアドバンテージが生じるかもしれません。
銅については、今なお実験室規模を上回る生産を実証することが新規サプライヤーには求められていますが、RFIDアンテナ印刷での進展も見られます。積層セラミックコンデンサ(MLCC)も販売数が数兆個に突入する等、変わらず大きな産業規模であり、スクリーン印刷による銅(およびニッケル)粉末の一大市場を創出しています。家庭用プリンテッドデジタイザー市場は当初予想されたほど成長しませんでしたが、大型プリンテッドデジタイザー(通常は銅ベース)は大型インタラクティブホワイトボード等に活路を見出しています。
3D印刷エレクトロニクス(3DPE)は今後も各種基盤に対応した低温インクのイノベーション機会の場となりそうですが、その成長は専用3DPEプリンターの販売の影に隠れてしまいそうです。一方印刷技術による大型ピエゾ抵抗、容量性、バイオセンサーは拡大する印刷エレクトロニクス産業の最大の構成要素のひとつに成長する見通しです。プリンテッドトランジスターやメモリーは技術は進歩したもののアプリケーションを模索する傾向が続きそうです。電子書籍リーダーは、壁面サイズの大型画面への移行が加速し、インクの新たな需要が生まれるでしょう。印刷技術を用いた大型LEDアレイは、FPCBとの競合は続くものの、徐々に市場参入すると思われます。薄膜型非シリコン系太陽光発電については銀ナノ粒子が商用普及する見込みです。
またこの他にも暖房、バッテリーパック、プラントヒーター、周波数選択性ウィンドウ等、当社レポートで詳細に考察する、現在開発が進んでいる導電ペースト用アプリケーションが数多く存在します。
全体として下図に示されている通りノンコアおよび新興市場は2028年までに5億8,000万ドル規模の市場機会へと成長すると当社は見込んでいます。なお、タッチスクリーンの端面電極、自動車(外装)、太陽光発電、MLCC 等のボリュームアプリケーションは除外しておりますのでご注意ください。
さらに詳しくはIDTechEx 調査レポート 導電性インク 2018年-2028年プレイヤー、テクノロジー、フォーキャスト (Conductive Inks 2018-2028)をご覧ください。

Source: IDTechEx Research report 導電性インク 2018年-2028年 (Conductive Inks 2018-2028),report contains exact values.
またIDTechEx主催イベント Printed Electronics USA 2018 2018年11月14-15日、カリフォルニア サンタクララ でさらにこのトピックスについて学んでください