導電性インク:ニッチ市場へと向かわざるを得ないビッグプレイヤー

Dr Khasha Ghaffarzadeh
中核市場における競争激化に加え、市場の停滞あるいは伸び悩みに直面し、多くのサプライヤーがその戦略を再考せざるを得なくなり、以前はあまりに小規模すぎるとの理由から見向きもしなかったニッチ分野や新たに発生しつつある分野に目を向けざるを得なくなっています。このような市場アプローチにおける大きな変化は、新しく生まれつつある市場を探索、特定し、育てていこうという動きをさらに加速させています。
このようなニーズに応えること、それがIDTechExの調査レポート「導電性インクマーケット2016年―2026年 フォーキャスト、技術、プレイヤー」 conductive-inks-markets 2016-2026: Forecasts, Technologies, Players の背景にある考え方です。この調査レポートでは17の市場セグメントを詳細に分析しています。そのセグメントとは、太陽光発電、タッチスクリーン・エッジ電極、RFID(無線自動識別装置)タグ、E-テキスタイル、デスクトップPCBプリンター、インモールド・エレクトロニクス、ITO代替製品、コンフォーマブル・プリンティング、3Dアンテナ、センサー等です。このレポートはウエブサイト上で直接購入することもできます ご注文はこちらから。また、請求書の発行も可能です。お問い合わせはIDTechEx日本法人 アイディーテックエックス株式会社 m.murakoshi@idtechex.com まで。お見積書も発行いたします。

根本的な変化を経験しつつある中核市場

太陽電池パネル用メタライゼーション・ペーストとタッチスクリーン用エッジ電極は、これまで大企業の主要なマーケットを代表するものでした。しかし、この市場は今、大きな変化に見舞われています。この記事では、太陽電池パネル用メタライゼーション・ペーストを例にとって見ていくことにしましょう。
エンドユーザーである太陽電池パネル製造業者は、2005〜2006年頃から中国へのシフトを開始しました。これは中国が太陽電池パネルの生産能力を2014年までに世界総生産量の約70%まで拡大するという目標を掲げ、実践してきたからです。2005年の初めの生産能力はわずか5%に過ぎませんでした。この市場の変化によって企業統合が盛んにおこなわれ、その期間に、(a)多くの薄膜太陽電池テクノロジーがシリコンウェハー太陽電池による容赦ない価格競争に直面し実質的に陳腐化、(b)中国以外の多くの製造業者が何らかの形で工場を閉鎖せざるを得なくなりました。

現れている兆候

シリコン太陽電池生産のための材料サプライチェーンもまた同様にゆっくりとしたペースではあるものの、中国へと移行しています。パウダー供給では日本のサプライ―が性能優位性により独占的な地位を維持していますが、IDTechExの調査では、長期的に見て、日本のサプライ―がその優位を維持することはできないと考えています。実際、最近の生産中断により市場のマインドが変化し、供給体制の多様化のプロセスがすでに始まっています。エンドユーザーは純粋により幅広い供給ベースを求めているのです。
ペーストサプライヤーも遅かれ早かれこれに続くことになるでしょう。すでに市場のリーダーシップは交代し、新しいプレイヤーがトップに躍り出ています。そうした新しいプレイヤーは、かつてロークオリティ・ローコストであったものの、今やそのクオリティは十分に満足できるものとなり、しかもローコストを維持しています。このため、彼らはエンドユーザーがほとんど、あるいはまったく利益を得られない価格帯の極めて敏感な市場でシェアを獲得しています。
この激動の時期がここで留まることはないでしょう。なぜなら供給ベースは長期的に見て中国企業に支配されるようになると思われるからです。他社に比べて少しでも上質なペーストを供給することによって常に先手を打つ立場にいるという戦略はもはや持続することが不可能です。なぜならテクノロジーはすでに成熟しており、供給能力の優位性は小さすぎるか、あるいは極めて短期間しか持続できないからです。知的財産の保護も効果はないでしょう。なぜならこの成熟したテクノロジーの市場はすべて中国にあるからです。この市場で地歩を固めるのに必要とされる資本支出も豊富な資金を有する既存の少数サプライヤーがそれだけで主導権を維持できるほど高額なものにはなりません。

再びニッチ市場へ向かう以外に選択肢なし

既存の大手サプライヤーはこれまでの中核セクターにおける独占的な地位を脅かされ始めており、ますます大きな困難に立ち向かわざるを得なくなっています。彼らは残された時間を新たな市場機会の開拓とイノベーションに使う以外の選択肢はないといっても過言ではありません。
これはすなわち、以前はあまりに小規模すぎるとの理由から見向きもしなかったニッチ分野や新たに発生しつつある分野に集中するということを意味します。同時にこれは多くの要素を全面的に再考することも意味します。特に、この市場と共に成長するという気概を持ち、並外れた研究開発とマーケティング活動をニッチ市場や新規セグメントに注力することが求められるでしょう。業界全体のエコシステムを先頭に立って開発したり、クライアントのニーズを真っ先に理解したり、技術的挑戦を他に先んじて解決するなどです。
このような理由から、現在多くの大手サプライヤーが新しく生まれつつある市場に急いで自らの位置を固めようと取り組み、自らの会社こそが勝ち残り、成功を収められるようにとの期待を持って複数のセクターにわたり同様の取り組みを行っているのです。
さらに導電性インクとペーストどのように変化しているか、E-テキスタイル、3Dプリンティング、インモールド・エレクトロニクス、ITO代替製品、、コンフォーマブル・プリンティングなどを含む詳細な17マーケットセグメントをカバーする当社の調査レポートト「導電性インクマーケット2016年―2026年 フォーキャスト、技術、プレイヤー」 conductive-inks-markets 2016-2026: Forecasts, Technologies, Players をご覧ください。
 
* これは2016年1月中旬の銀価格をもとに算出しています。
 
IDTechEx Japan(アイディーテックエックス株式会社)はIDTechExの日本法人として2016年9月より日本国内での営業を開始しました。レポートの販売、コンサルティング、定期購読の受付窓口としてぜひご利用ください。
お問い合わせは 03-3216-7209 もしくはm.murakoshi@idtechex.com までお願いいたします。