3Dエレクトロニクスの持続可能性を評価する

Dr Matthew Dyson
エレクトロニクスのユビキタス化に伴って、高集積化へと向かうトレンドがはっきりと見て取れます。ただ単に製品内に平板(2次元)のリジッド回路基板(PCB)を入れるスペースができるだけではなく、電子機能が表面形状に沿うように実装されたり、構造材料内に組み込まれたりするようになります。
 
このような新しい製造方法は、まとめて「3Dエレクトロニクス」と呼ぶことができます。設計の自由度が高まり、独創的なフォームファクタにより消費者向けデバイスを差別化しやすくなります。しかし電子機能を構造機能に組み込むことについては、持続可能性に関する疑問が投げ掛けられています。
 
リサイクルの難しさに対抗する
 
3Dエレクトロニクスの持続可能性について最も懸念されるのが、リサイクルの容易性です。導電配線、表面実装デバイス、マイクロコントローラー、センサーなどの電子部品を主要構造材料の内部や表面に実装すると、各材料を分別してリサイクルするのが困難になります。それに対し従来の製造方法では、電子部品を取り外せば残りのプラスチックをリサイクルすることが可能です。
 
このような明らかな難点にもかかわらず、3Dエレクトロニクス/集積エレクトロニクスにはリサイクル性に関していくつかの利点があります。一番の利点は混合する材料が大幅に削減されることで分別しやすくなることです。3Dエレクトロニクスでは異なる材料をたった4つ使用するだけで電子機能を持つコンポーネントを製造できるのです。たとえば、LED電球の場合、構造用プラスチック、導電性インク、導電性接着剤、LEDで作ることができます。従来の方法で製造された(通常はPCBを内蔵した)ものと比較すると相当に簡素です。
 
電子機能を3次元構造内に組み込むことのその他の利点には、 RFIDタグの組み込みによりリサイクルに関する指示を製品内に埋め込めることがあります。廃棄時にスキャンすると表面実装部品の正確な位置など、分解に関する指示を材料組成とともに取得できます。
 
3Dエレクトロニクスの環境面の利点
 
競合する製造方法の持続可能性を評価する際には、ライフサイクル全体を通じて環境への影響を考慮することに加え、二次的な影響を考慮することも重要です。3Dエレクトロニクスが持続可能性上の大きな利点をもたらすのはこの点です。その主な理由は、電子機能と構造機能を一体化することで、リジッドPCBを内蔵しなくて済み、フォームファクタの大幅な小型化が可能になることです。
 
このより小型化したファクタには大きな利点が2つあります。1つは使用材料の削減、もう1つはデバイスの大幅な軽量化です。これにより材料の製造に使用するエネルギーが少なくなり、デバイス(とその構成部品)の輸送がより効率的に行えるようになります。また3Dエレクトロニクス部品を電気自動車や航空機に使用した場合、軽量化によりエネルギーのさらなる節約が可能になります。
 
こうした利点を踏まえて完全なライフサイクル分析(LCA)をすると、全般的に3Dエレクトロニクスには持続可能性上の大きな利点があることが分かります。材料の分別に関する懸念はもっともですが、小型化、軽量化、混合材料の削減などは、この欠点を補って余りあるものです。また、解重合など、材料を分別しやすくするリサイクル技術の利用が今後徐々に広がり、持続可能性上の大きな課題を解決する可能性もあります。
 
製品ライフサイクル全体を考慮すると、3Dエレクトロニクスの持続可能性上の利点はその欠点を上回る。 Source: IDTechEx
 
包括的概要
 
持続可能性の課題と利点に関するより詳細な評価を含む3Dエレクトロニクスに関する幅広い見識は、IDTechExの調査レポート『3Dエレクトロニクス/積層エレクトロニクス 2022-2032年』でご確認ください。 本レポートでは、PCBを一体型電子回路で置き換えることでスペースの節約、重量の削減、製造の簡素化を実現する競合技術の評価を行うほか、立体面への電子機能の実装、インモールドエレクトロニクス(IME)、フル3Dプリンテッドエレクトロニクスについて取り上げています。
また、本レポートでは、さまざまな技術分野の主要企業へのインタビューに基づき、30社以上の詳細な企業プロフィールを掲載しています。各技術とアプリケーション分野ごとに、売上高と地域の両方で区切った10年間の市場予測も作成しています。
 
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