持続可能なエレクトロニクス製造におけるイノベーション

持続可能なエレクトロニクス製造におけるイノベーション

Dr Isabel Al-Dhahir
3D illustration, Microelectronics and recycling - processor with recycling symbol
COP27が開催されるなか、持続可能性が再び国際的議論の焦点となっています。有意義な変化をもたらすことに意欲的な多くの政治家、企業、投資家、シンクタンクが、排出削減、水の安全保障、再生可能エネルギーを巡って活発に討議しています。IDTechExのレポート『持続可能なエレクトロニクス製造 2023-2033年』では、最も汚染度の高い産業の一つにおいて排出量を削減する方法について、費用対効果と普及度の観点から評価・解説しています。
 
世界の温室効果ガス排出量の4%を占めるエレクトロニクス産業は、大規模なイノベーションによる環境フットプリントの削減が求められているセクターの一つです。IDTechExの調査レポート『持続可能なエレクトロニクス製造 2023-2033年』では、プリント基板(PCB)と集積回路(IC)の製造工程で生じる環境への影響を、革新的な材料の選択と処理法によっていかに軽減可能かを探っています。例えば、低温プロセスの導入、過剰で無駄な製造工程の排除、材料のリサイクルと再利用、長期的な可能性が見込まれる新しいアプローチの導入などです。IDTechExでは、10年以内にPCBの20%が、ドライエッチング、印刷、低温はんだによる部品の接合など、持続可能性の高い方法を用いて製造されるようになると見込んでいます。本レポートでは、サムスン、IBM、インテル、東芝、アップル、デルをはじめとする多くの有名電子機器メーカーが、費用対効果が高く持続可能な方法を実現化するために、どのような取り組みを行っているのかを考察しています。
 
IDTechExのレポートがカバーするエリア。 Source: IDTechEx - 『持続可能なエレクトロニクス製造 2023-2033年』
 
E持続可能なイノベーションの恩恵を受ける最新のフレキシブルエレクトロニクス
 
今日の電子回路のほとんどはリジッド基板上に形成されていますが、ウェアラブル技術やフレキシブルディスプレイなど、さまざまな用途分野の成長に伴い、フレキシブルエレクトロニクスの利用が進んでいます。フレキシブルプリント基板市場は、2033年までに12億ドル規模に達する見込みで、その牽引役となるのが、すでに実用化されている、ポリイミドを利用した柔軟性の高い可塑性プラスチック基板です。ただし、ポリイミドは高価な材料であり、環境負荷も決して低くはありません。本レポートでは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの比較的安価な材料だけでなく、紙や天然繊維といった生分解性材料の利用についても考察しています。こうした材料は、私たちが日常的に使用するデバイスと関係あるようには思えませんが、マイクロソフトやデルなど、多くの消費者向け製品メーカーが生分解性プリント基板を使用してパイロットプロジェクトを進めています。
 
次世代エレクトロニクスの主な強みは、その成功がイノベーションにかかっているという点です。従来の製造プロセスにとらわれずに、時間の節減や無駄の排除、排出量の削減を実現できる先駆的なアプローチを最初から採用することができるのです。こうしたアプローチには、低温はんだへの移行のような比較的シンプルなものや、部分的にあるいは全体に積層造形法を採用するような、より革新的なアプローチが含まれる可能性があります。また、IDTechExのレポート『持続可能なエレクトロニクス製造 2023-2033年』では、持続可能なイノベーションを実行することの利点とその際の妥協点についても徹底的に評価を行っています。
 
本レポートでは以下の項目について明らかにしています
• 注意すべき主要政策や法律は何か?
• 既存の低排出技術で導入可能なものは何か?
• 将来的に破壊的技術となり得る技術は何か?
• 新たな製造工程のうち、持続可能性、信頼性、スケーラビリティを満たすのはどれか?
• 積層造形法によって、いかにコスト削減と廃棄物の低減が図れるのか?
• 材料の主な成長機会はどこにあるか?
• 主要プレイヤー各社は持続可能性を高めるためにどのような取り組みを行っているのか?
 
IDTechExは、プリンテッド・エレクトロニクスやフレキシブル・エレクトロニクスを含む先進技術を20年にわたり調査し、専門知識を有しています。当社のアナリストは、関連市場の最新動向を綿密に追い、サプライチェーンの主要プレーヤーにインタビューを行い、カンファレンスに出席し、この分野に関するコンサルティングプロジェクトを提供してきました。本レポートでは、技術性能、サプライチェーン、製造ノウハウ、アプリケーション開発の進捗状況などの現状と最新動向を調査しています。また、持続可能なエレクトロニクス製造における主要な課題、競争、イノベーションの機会も明らかにしています。
 
更に詳しくは、市場査レポート『持続可能なエレクトロニクス製造 2023-2033年』で、ご確認ください。
 
問合せ先
アイディーテックエックス株式会社
東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル21階
担当:村越美和子  m.murakoshi@idtechex.com
電話 : 03-3216-7209
 
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