レベル3車両の路上走行が一般に普及するのはいつになるのか

レベル3車両の路上走行が一般に普及するのはいつになるのか

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メルセデスがドイツと米国でドライバーレスのSAEレベル3技術を展開している今、自動車市場の誰もが抱いている疑問は、「いつ、どのようにしてこれが大衆市場にトリクルダウンするのか」ということです。IDTechExの調査レポート『自動運転車、ロボタクシーおよびセンサー 2024-2044年』はその答えを示しています。
Availability of different ADAS features in the car market as measured by IDTechEx in its report "Autonomous Cars, Robotaxis and Sensors 2024-2044". Source: IDTechEx
 
メルセデスの高級セダンのフラッグシップモデルであるSクラスは、乗用車の未来技術において幾度となく先駆者となってきました。とはいえ、必ずしもSクラスが新技術を最初に導入するとは限りません。実際、ホンダが技術的には先行してレベル3車両を実現していますが、Sクラスは新機能に磨きをかけ、業界を先導する象徴的な存在です。
 
他社のレベル3車両もまもなく追随するでしょう。テスラ、ゼネラルモーターズ、フォードの各社はいずれも、米国の高速道路での手放運転が可能ですが、どれもレベル3の認定を受けていません。レベル3認定の可否は、ドライバーが車の動作に常に注意を払う必要があるかどうかで決まります。また、車両に対する責任は常にドライバーにあり、事故が発生した場合に、自動運転が原因だと主張しても法廷で認められることはないでしょう。しかし、主力車種でないとはいえ、メルセデスにレベル3認定車が登場したからには、すぐに対応がなされるでしょう。
 
現在テスラが最上位の「完全自動運転」機能を1万5000ドルで提供する一方で、GMのスーパークルーズとフォードのブルークルーズは最上位車種のみに自動運転が搭載されています。この技術が大衆市場に浸透するにはもう少し時間がかかると思われます。
 
先進運転支援システム(ADAS)機能の普及と向上により、自動車市場は時間をかけてゆっくりと自動化されてきました。今日では、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線維持支援制御装置(LKAS)などの機能が搭載されていない車の販売は少なくなってきました。IDTechExの調べでは、ACCとLKASを兼ね備えるレベル2車両の台数は2021年から2022年にかけて20%増加しています。2023年には新車販売台数の41%近くをレベル2車両が占めるようになり、2020年の推定21%からほぼ2倍になるとIDTechExは予測しています。
 
現在販売されている車の91%がACCを、86%がLKASを標準装備またはオプションとして搭載しており、ACCやLKASのような機能は今や主流となりました。ただし、LKASが2007年に、ACCが1999年に最初に登場しており、普及には15年以上かかっています。スロットルとブレーキを制御して前方車両との車間距離を維持するACCシステムを最初に導入したのも、メルセデスのSクラスでした。では、SAEレベル3が主流の技術とされるまでに、さらに15年、20年、あるいはそれ以上かかるでしょうか?その先のレベル4システムを業界はどれくらい待つことになるでしょうか?
 
レベル3技術の出現と普及を理解し予測するには、自動車市場がどのように運営されているか、また業界の歴史的傾向を深く理解する必要がある。IDTechExの調査レポート『自動運転車、ロボタクシーおよびセンサー 2024-2044年』は自動車市場における自動化技術を綿密に追跡・分析しています。このレポートでは、数十年前にさかのぼる4,000以上の自動車パンフレットの分析と、世界中のベストセラー車150台以上におけるADASの利用可能性に関する詳細なデータベースを提供しています。IDTechExの20年間の自動車の予測を、SAEレベル0から4までに分け、また新しいロボタクシーやサービスとしての自律型モビリティも含んで紹介しています。
 
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