電気自動車向けパワートレイン材料市場、2030年までに470億ドルに到達

電気自動車向けパワートレイン材料市場、2030年までに470億ドルに到達

電気自動車向けパワートレイン材料市場、2030年までに470億ドルに到達
電気自動車市場は今後大規模な成長を遂げ、これに伴いバッテリーやモーターの需要も増加することが予想されます。これらのパワートレイン部品の利用増により、内燃機関自動車においては、必需品でなかった多くの主要な材料の需要が促進されることになります。
 
IDTechExの最新レポート『電気自動車向け材料 2020年-2030年』では、電気自動車用バッテリーのセルレベルとパックレベルにおける材料、および走行用電気モーターの材料のトレンドを特定・分析し、こうした部品の製造から将来的な改善に至るまでの全体的な材料需要を明らかにしています。また、詳細な分析に基づいて、今後10年間で必要となる各材料と市場価値を予測しています。
 
IDTechEx forecasts over 28 materials used in the construction of electric vehicle powertrains, each with shifting market shares. A rapid increase in demand is seen across several material markets after a small drop in 2020 due to COVID-19 implications for the automotive market. Source: IDTechEx Research, "Materials for Electric Vehicles 2020-2030".
バッテリーセルの材料
 
電気自動車の部品に使用される原料の中には、違法採掘が懸念されるものや、サプライチェーンが不安定なものがあることから、自動車メーカー各社はバッテリーやモーターの製造方法を変更しています。一般的に使用されている正極材料のコバルトは、違法に採掘されている材料として知られています。またコバルトは非常に高価な材料であり、なおかつ産出場所の大部分が中国とコンゴ共和国に限定されています。その結果、自動車メーカー各社は複数の新型車両において、NMC 622やNMC 811といったニッケル正極材料の使用を拡大する方向にシフトしています。
 
もうひとつの大きなトレンドとして、リン酸鉄リチウム(LFP)正極の段階的な廃止が挙げられます。中国の電気自動車市場では、2018年までLFP正極の使用が圧倒的多数を占めていました。今ではその状況は変化し、2019年には新車の3%でしかLFPが使用されていませんでしたが、中国でLFPを使用したテスラモデル3が導入されたことで、このトレンドが覆されました。コバルトのような材料の市場シェアは低下しているものの、電気自動車市場の急速な拡大により、今後10年間でコバルトやその他多数の材料に対する需要が大幅に伸びると予想されます。
 
バッテリーパックの材料
 
セルのエネルギー密度が増加しているのと同時に、パックのエネルギー密度も増加しています。メーカーによるバッテリー設計の改善によって、セル周辺で使用される材料の重量が着実に減少しています。それにより、バッテリーパックの軽量化が可能となり、同じ重量でもより多くのセルを使用できるようになりました。これは、自動車メーカー各社が複合材料の使用にさらに関心を持つようになり、ケース材料の選択が変化したことが大きく影響しています。また、熱管理方式も大きく影響しています。例えば、アクティブ・パッシブ冷却のバリエーション、熱伝導材料、熱暴走防止材料や難燃性材料などを選択できるようになっています。エネルギー密度の増加と、高速充電したいという消費者のニーズを受けて、小型化・軽量化したパッケージに効果的な熱管理方法を導入することが求められています。その結果、車両ごとのバッテリパック材料が減少すると考えられますが、EV市場全体の拡大がそのトレンドに影を投げかける可能性があります。
 
IDTechEx considered over 150 battery-electric and plug-in hybrid cars sold between 2015-2019 to show trends in energy density by thermal management strategy and by year. Full data available in the IDTechEx report, "Materials for Electric Vehicles 2020-2030". Source: IDTechEx Research.
 
電気モーターの材料
 
車両の販売台数全体の増加に加えて、複数のモーターを使用する車両(特に高級車や大型車両)の増加により、走行用電気モーターの需要もバッテリーと並行して今後10年間で急速に増加すると予想されます。材料に関して重要なのは、EV市場の大半で永久磁石の回転子を用いたモーターが使用されているということです。これらの材料には、通常複数のレアアース(ネオジムやジスプロシウムなど)が含まれますが、これらはいずれもサプライチェーンが地理的に限定されており、価格の推移も不安定です。モーターに使用されるレアアースの量は比較的少ないものの、モーターのコストのかなりの部分を占めています。ルノーなどのメーカーが磁石不使用のモーターを使用する一方で、テスラは効率改善によって航続距離を伸ばすことができ、他の重要なバッテリー材料の必要性を減らすことができるという理由から、磁石を使うモーターを使用する方向へ転換しています。
 
モーターの設計に関するもうひとつの課題は、リサイクルのしやすさです。開発段階では見過ごされがちですが、モーターや車両が寿命を迎えたとき、磁石や巻線で使用されている高価で重要な材料を簡単に取り出せるかどうかが問題となります。現在のほとんどの設計ではこの点が考慮されていない一方で、一部のメーカーはより安価でリサイクルしやすい原料へとシフトしつつあり、市場の大半のプレイヤーは現在の設計の効率性を段階的に改善することに力を入れています。
 
電気自動車のパワートレインに使用される材料、その需要、利用傾向、市場価値の詳細については、IDTechExの調査レポート『電気自動車向け材料 2020年-2030年』を、ご覧ください。
 
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