マテリアルズインフォマティクス: 研究開発の加速に向けて業界は活性化

マテリアルズインフォマティクス: 研究開発の加速に向けて業界は活性化

Materials Informatics
新素材をより早く開発し、市場に投入することは当然の目標です。化学や材料科学のR&Dの成果を高める取り組みは数え切れないほど行われ続けていますが、マテリアルズ・インフォマティクスがもたらすパラダイムシフトに相当するものはおそらくありません。技術の成熟に伴って各業界の主力プレーヤーはこのことに気付きつつあります。この変化を見逃すと、痛手を負う可能性があります。
 
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、新材料の設計、特定用途向けの材料の発見、および材料の処理方法の最適化のためにデータ基盤を使用し、機械学習ソリューションを活用することを基礎に置いています。MIは「順」方向へのイノベーション(投入材料に対して特性を実現)を加速させる可能性がありますが、理想的なソリューションは「逆」方向(目的の特性を前提に材料を設計)を実現することです。
 
IDTechExは9月に調査レポート「マテリアルズ・インフォマティクス 2022-2032年」を発行しました。 この最新レポートではインタビューに基づく企業プロファイル、重要な技術分析、採用ロードマップ、ビジネスモデル評価、詳細なアプリケーションケーススタディなど、この分野の詳細な評価を読者に提供しています。IDTechExはエネルギー貯蔵、積層造形、有機エレクトロニクス、ナノマテリアル、グリーンテクノロジーなどの関連分野に関する幅広い知識を有しており、その観点からマテリアルズインフォマティクスの開発の意義を探っています。
 
MIを実現するのはうたい文句ほど容易なことではなく、まだ初期段階にあります。多くの場合、データ基盤は包括的なものではありません。またMIのアルゴリズムは、特定の実験データに対して未熟過ぎることがよくあります。この課題はAIが主導する他の分野(自動運転車やソーシャルメディアなど)のものと同じではありません。参入企業は疎データ、高次元データ、偏ったデータ、ノイズの多いデータを扱うことがよくあります。ドメイン知識を活用することは、ほとんどのアプローチにとって不可欠な部分となっています。
 
マテリアルズ・インフォマティクス - プレイヤー

では、この2年間で何が変わったのでしょうか。

ここ数年で重要な進展が数多く見られました。IDTechExでは、既存のMI企業の成長、学界と産業界の両方における主な科学的発展、新しいコンソーシアム、リポジトリ、国家的イニシアチブの設立、資金調達ラウンドの完了、刺激的な新しい企業の登場などを追ってきました。

重要なのは、現在この業界に注目すべき主な理由として以下の2つがあることです。

1. 成功事例の増加
 
よくある懸念事項の1つが、マテリアルズ・インフォマティクス戦略への取り組みにおいて明白な価値を証明することです。このことは、大袈裟な宣伝、約束、バズワードが溢れる中を突き進むにあたって、深く思い知らされることです。現実的にはまだまだ数値化し難く(従来の研究開発と、この新しいデータ中心のAI誘導型アプローチを突き合わせた研究は限られている)、それがあらゆるものにおける切り札となるわけではありません。
 
また現実社会の多様な産業的ニーズと比較すると、慎重に選択された材料グループやパラメータを用いた学術研究は大きく異なるものです。しかしながら、正しく用いた場合には有意な結果になることを示す商業的な成功事例が増えています。調査レポート ではそれらを詳細に取り上げており、その中には、かなり早い段階で市場に登場している金属合金、次世代のバッテリーを商業化するために建設されているギガファクトリー、ディスプレイ業界における重要なライセンス契約などがあります。この分野を用途先として模索しているものは他にも多くありますが、IDTechExが初期段階において最もポテンシャルの高い分野だと考えているのが特殊化学製品の調合です。目覚ましい成果がいくつかすでに発表されているほか、今後さらに多くの成果が現れる見込みです。
 
2. 産業界への働きかけの拡大
 
エンドユーザーがマテリアルズ・インフォマティクス戦略を採用する際の選択肢は主に3つあります。企業が独自で行う場合はすべての機能とノウハウを社内に(おそらく、なんらかの外部の教育機関を利用して)取り込みます。他には外部のMI企業を利用する方法、さらには何らかの形の公的または民間のコンソーシアムを結成したり、それらに参加したりする方法も可能です。外部のMI企業についても同様で、SaaSの提供、個々のプロジェクトの実行、合弁事業の設立、将来の生産やライセンス供与を見据えた社内の材料研究開発など、数多くのビジネスモデルがあります。これらはそれぞれ、相対的な強みと弱みを持ち、異なる企業によって追求されています。この点についても調査レポート の中で詳しく説明しています。
 
一つ非常に明白なことは、世界の最大手クラスの化学企業や材料メーカーの活動が活発化していることです。戦略的なパートナーシップや投資、共同プロジェクト、有償契約はいずれも増加傾向にあります。今でもなお、これらの大部分を占めているのは、この技術を最も早くから導入している日本の大手企業によるものです。
MIは数値シミュレーション(DFTなど)に関して物理実験データとほとんど同じように重要な役割を果たすことができます。このシミュレーションから得られた多くのデータにより、製品にMI機能が提供され始めています。IDTechExでは、ここ数年、IntellegensとアンシスやCirtine Informaticsとシーメンスといった工学シミュレーション製品で知られる企業のパートナーシップが増加傾向にあり、それらのパートナーシップが両者に明らかな利点をもたらしていることを把握しています。
 
マテリアルズ・インフォマティクスについては、IDTechExの調査レポート「マテリアルズ・インフォマティクス 2022-2032年」を、ご活用ください。
 
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