プリンテッド圧電センサーのポテンシャルを現実化させる

プリンテッド圧電センサーのポテンシャルを現実化させる

プリンテッド圧電センサーのポテンシャルを現実化させる
プリンテッド圧力センサーは十分に確立された技術であり、自動車の着座センサー、電子ピアノや一部の医療機器などの用途に使用されてきました。これまでこのようなセンサーは常にピエゾ抵抗材料(圧力を加えると導電性が増大)をベースにしたものでした。一方、大規模な研究開発にもかかわらず、プリンテッド圧電センサー(圧力を加えると電圧が発生)は、これまでのところ市場への浸透が進んでいません。
しかしこれまで商業的には成功してはいないものの、プリンテッド圧電センサーには、ピエゾ抵抗型センサーに対する明確な利点がいくつかあります。高周波測定から知見を得るための製造技術とアルゴリズムを使ったデータ解析が改善されれば、圧電センサーはついに商用採用に近づくことができるのでしょうか?

他にはない特徴

印刷可能であり曲げられることによって、圧電センサーとピエゾ抵抗型センサーには無機圧力センサーに対して多くの利点があります。軽量で広い面積で製造した場合の費用対効果が高いため、空間分解された圧力検出が容易になります。また薄膜形状であるため、硬質材料を使ったセンサーを設置しにくい場所にも取り付けることが可能です。
 
しかしセンサーの種類ごとにいくつかの大きな違いがあります。ピエゾ抵抗型センサーは製造が比較的容易です。エラストマー母材に埋め込まれた導電性粒子を含む「圧力センサー(FSR)」の層は、垂直積層型または交互嵌合型の2つの電極間に圧力依存性の導通経路を発生させます。これらのセンサーは低コストの材料と単純な製造技術を使用しており、校正が比較的容易です。
 
一方、プリンテッド圧電センサーはPVDF-TrFEといった圧電性高分子(固化形態で双極子を備える結晶性ドメインを形成)に依存します。電場ポーリングをするとこれらドメインの双極子が整列し、圧電材料を作り出します。プリンテッド圧電センサーにはこの追加の製造ステップに加えて、さらに難易度の高い校正工程があるため、これまではピエゾ抵抗型センサーがプリンテッド圧力センサーにおける主流の選択肢であり続けています。
 
しかしこれらのマイナス面にもかかわらず、プリンテッド圧電センサーに固有の利点がいくつかあります。例えば、エラストマーの圧縮が不要でピエゾ抵抗型材料よりも変形がはるかに少なくて済むことから、高周波振動を検出できる点がその一つです。さらに圧電センサーでは圧縮に反応して小さな電圧が発生するため、必要な電力が非常に低くなります。実際、測定してから無線通信を行う頻度が比較的少ない場合、圧電センサーは自己給電するのに十分なエネルギーを得ることが可能です。
 
圧電センサーと圧電型圧力センサーの特徴を比較したベン図。 Source: IDTechEx

有望なアプリケーション

プリンテッド圧電センサーはこれまでのところ市場への浸透が進んでいませんが、高周波を検出できるという他にない重要な機能を必要とする用途で徐々に勢いを増しつつあります。
 
このセンサーの用途の一つが予防保全を実現することを目的とした状態監視です。目立たない薄膜圧電センサーを産業機器に取り付けると振動を検出できるようになるため、振幅と周波数の変化をアルゴリズムによって識別することで摩耗部品が特定できる可能性があります。同様のアプローチを橋やトンネルなどの大型構造物に応用すれば、損傷や倒壊の危険性を早期に発見することもできます。
 
フランスのCEA-Litenによって開発された特に革新的なもう一つの用途は、印刷式の圧電素子をバッテリーの監視に利用するものです。印刷式の薄膜圧電アクチュエータがバッテリーを通して伝わる高周波超音波を発生させます。次にこれらは非常によく似た構造をした圧電センサーによって検出されます。音波の通過時間と周波数依存性を監視することで、音響密度をつまりバッテリーの状態をリアルタイムで監視できるようになるのです。
最後の事例はオーストリアのヨアネウム研究所がPyzoFlexブランドを通じて開発した、圧電センサーのタイヤ空気圧監視への利用です。ここでの他にない重要な特徴は高周波振動を検出できることではなく、環境発電機能です。薄膜センサーをタイヤ内に設置します。センサーの重量が軽いためホイールのバランスが崩れることもありません。無線信号を送信するのに十分なエネルギーは圧力から30秒ごとに取り出すので、回転部分の複雑な配線が不要になります。
プリンテッド圧電センサーやピエゾ抵抗型センサー、さらには複数のプリンテッド/フレキシブルセンサー技術についての詳細は、IDTechExの最新レポート「プリンテッドおよびフレキシブルセンサー 2022-2032年:技術、有力企業および市場」に掲載されています。
 
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