AR/MR/VR用光学系とディスプレイ市場は、2030年までに280億ドル以上に成長する見込み

AR/MR/VR用光学系とディスプレイ市場は、2030年までに280億ドル以上に成長する見込み

Dr Charlotte Coles
AR/MR/VR用光学系とディスプレイ市場は、2030年までに280億ドル以上に成長する見込み
IDTechExの新しい調査レポート『AR、VR および MR における光学系とディスプレイ 2020-2030年: 技術、有力企業および市場』は、空間現実製品に使用される光学系とディスプレイ技術を広くカバーしています。
 
IDTechExは、2030年までに、拡張現実、仮想現実、複合現実の光学系およびディスプレイ市場は、合計で280億ドル以上になると予測しています。新型コロナウイルスが物理的なインタラクションを制限しているため、仮想的なコミュニケーションとインタラクションは、今後何年にもわたって普通のものになるでしょう。一部では未来的と見られていますが、拡張現実、仮想現実、複合現実のデバイスは、様々な産業で重要な役割を果たすことを示しています。これらはまさに今日の未来のテクノロジーなのです。
 
この調査レポートでは、キープレイヤーと技術の深い分析を通じて、今後10年間でこの市場が直面するであろうトレンドについて解説しています。
この記事では、本調査の主要な部分を解説します。
 
AR/MR/VR光学系市場とは?
拡張現実(AR)デバイスや仮想現実(VR)デバイスで使用される光学系とディスプレイについて、以下で簡単に説明します。
  • 光学系は、ディスプレイから人の目に向かって画像を映し出す
  • ディスプレイは、画像を作る
これらを組み合わせることで、拡張現実(AR)/複合現実(MR)のヘッドセットや仮想現実(VR)のヘッドセットによる没入体験が生み出されます。ユーザーの目に画像を映し出すためには、いくつものステップが必要となります。光学系は通常、マイクロディスプレイと結像光学系で構成され、液晶(LCD) 、有機EL(OLED)、OLEDマイクロディスプレイ(MOLED)、LCoSといったさまざまな種類のディスプレイを使用できます。VRでは、ディスプレイの画像がレンズによってユーザーの目まで誘導されます。ARでは、コンバイナーを利用して表示イメージを現実世界に映し出す必要があります。
 
なぜ光学系とディスプレイは重要なのか?
光学系はAR、MR、VR体験に影響を与えます。ゴッドレイ(薄明光線)やレインボー効果などが発生したり、適合的眼球離反運動の不一致によって頭痛が生じたりすると、そのことがネガティブな体験をもたらしてしまいます。このような問題は将来的に解決されると予想され、AR、MR、VRの各デバイス向け光学系市場における改善と変化が、トレンドに重要な役割を果たすと考えられます。またデバイス面では、画像を作り出してユーザーの目に送り出すディスプレイも重要です。ディスプレイごとに長所があり、例えば、輝度が優れているものや、色域が優れているものなどが存在します。こうした長所は特定の用途(例えば、ARデバイスは屋外の太陽光の下で画像が見えるように通常は高輝度が求められます。)
 
本レポートで取り上げる光学系は?
このレポートでは、各種光学系の手法・構成の長所と短所を、市場における多数の大手企業のケーススタディとともに紹介しています。VRデバイスの場合、主な光学系はフレネルレンズです。このレンズは、ディスプレイの画像を拡大してユーザーの目に映し出すもので、空間現実デバイスの使用体験に大きな影響を与えます。没入体験を初めて経験するときにその良し悪しを判断するユーザーは多く、最初の印象が良ければ、ユーザーがデバイスを使い続ける可能性は高くなるでしょう。
 
本レポートで取り上げるマイクロディスプレイは?
通常、空間現実デバイスの種類によって使用されるマイクロディスプレイも異なります。例えばVRデバイスでは、スマートフォン業界で長年使用されてきたOLEDマイクロディスプレイやLCDマイクロディスプレイが以前から使われています。この種類のディスプレイ市場は成熟しており、VRデバイス向けに大量製造することができます。一方、ARデバイスとMRデバイスでは、輝度が高く、光導波路への入力において高い解像度が得られるLCoSディスプレイが最も一般的です。本レポートでは、空間現実デバイスで使用されるマイクロディスプレイの中でも最も重要なLCD、OLED、DLP、LCoS、OLED-on-Si、マイクロLED(mLED)の6種類を取り上げます。
 
本レポートでカバーする項目は?
本レポートでは、AR/MRおよびVR市場における光学市場とディスプレイ市場の両方の予測をカバーしています。これらの市場の現状について考察し、2020年から2030年までの長期予測と技術別の売上高と数量について分析しています。
  • AR/MR 光学
  • VR 光学
  • AR/MR マイクロディスプレイ
  • VRマイクロディスプレイ
 
本レポートで回答している主な疑問
  • 新型コロナウイルスはAR/VR市場にどのような影響を与えたのか?
  • AR/MRデバイス、VRデバイスで使用される光学系を選択する際の主な推進要因?
  • AR/MRデバイス、VRデバイスで使用されるディスプレイを選択する際の主な推進要因?
  • AR/MRデバイス、VRデバイスで使用される6種類の主要マイクロディスプレイの長所・短所?
  • マイクロディスプレイの選択における変化の展望?
  • 2020年から2030年にかけての光学デバイス、ディスプレイデバイスの売上の展望?
 
 
COVID-19の影響は?
最近、インペリアルカレッジヘルスケアNHSトラストにおける皇室主導のプロジェクトをきっかけに、混合・拡張現実製品の汎用性が世間の注目を集めています。COVIDパンデミックの最前線に立つ医師たちが、Microsoft HoloLensのヘッドセットを装着し患者の治療にあたっています。
 
このプロジェクトでは、COVID-19の患者の治療にあたる医師のライブ動画フィードを他の臨床医が別の部屋に座って(Microsoft Teamを使って)見られるようにすることにこの技術が活用されています。これは、HoloLensのユーザーが製造、保守、その他類似の用途にかつて使用していたリモートアシスタント機能を利用したものです。このデバイスを使うことで、スタッフがリスクの高いエリアで過ごさなければならない時間を83%削減することができました。さらに、患者の治療に同席する臨床医の数が減るため、PPE(個人用防護具)の消費も少なくて済みます。
 
COVIDによってハンズフリーの双方向性技術が脚光を浴びており、当分の間は注目の的となることが予想されます。これまでハンズフリーやリモートの機能を必要としていなかった多くの分野で、この技術が新たに求められるようになるでしょう。
 
 
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