AIグラスとVRヘッドセット向けの多様な光学ソリューション
2026年1月20日
Thomas Bithell
本記事では、XR(エクステンデッド・リアリティ)デバイスに必要な各種光学技術を解説します。ARグラスでは、導波路やバードバス方式コンバイナなどの技術が含まれ、VRヘッドセットについては、パンケーキレンズ、フレネルレンズ、非球面レンズなどのソリューションが挙げられます。XRデバイスでは、目的のユースケースによって必要な光学系ソリューションが異なり、特定のデバイスに対する光学系技術の適合性には、重量、光学効率、画質、形状、コストなど、さまざまな要因が関係しています。
ARグラスやVRヘッドセットは、ユーザーにXR(エクステンデッド・リアリティ)を提供するため、高度な光学系を必要とします。AR向けでは、回折、ホログラフィ、反射を用いる導波路コンバイナや、バードバス方式コンバイナや表示専用グラスのような他の結合・伝搬方法などがあり、VR向けでは、光学システムとして、パンケーキレンズ、フレネルレンズ、非球面レンズの他、幾何学的位相の光学系のような将来的に可能性のある技術が挙げられます。
AIがキラーアプリケーションとして登場する中、メタ、グーグル、サムスン、スナップから消費者向けデバイスが発表されるなど、現在XR市場は活気に満ちています。IDTechExの調査レポート「VR/AR/MRの光学系技術 2026-2036年:技術、予測、市場」では、AR/VRシステムで使用される幅広い光学系技術を解説しています。VR/AR/MRデバイスを可能にする光学系技術を評価し、その動向、応用分野や、2026年から2036年にかけての市場動向を分析しています。XR製品のさまざまなカテゴリーで使用される光学系技術は、性能、コスト、製造性の面で差異があり、デバイスの設計と採用に影響しています。

ARヘッドセット市場は2036年までに3,500万台を超える見通し。出典:IDTechEx
XR製品は、形状、没入度、物理的な設計上の制約が多岐にわたり、用途別要件も目的とするユースケースによって大きく異なります。関連する性能指標には、効率、消費電力、快適性、画質、視野角(FoV)、色再現性、バッテリー寿命などが挙げられ、用途によっては光学効率や重量などの指標が優先される場合もあれば、広視野角や高画質が重視される場合もあります。各光学系技術がそれぞれ異なる強みを有することから、このような多様性が、ヘッドセットメーカーの利用できる光学系の選択肢を左右しています。例えば、ガラス製の反射型導波路が色精度や効率に強みを持つのに対し、SRG回折導波路は、より薄型の設計を可能にする場合が多くなっています。
日常的な着用を想定したARグラスの場合、軽量性、目立ち過ぎない・ファッション性のあるデザイン、長時間使用にも耐えるバッテリー寿命を可能にする光学系やレンズが求められるため、コンパクトな光学システムと効率的な導波路設計が特に重要となります。一方、ゲームなどより没入感の高いVR用途では、画像鮮明性や色再現性の向上、視野角の拡大を優先して重量やバッテリー寿命を犠牲にすることが許容される場合があります。そういったケースでは、高い没入度の実現が主目的になることがよくあるのです。いずれの消費者向けユースケースにおいても、装着時の快適性はデバイスの採用と使用時間の両方を左右する重要な考慮事項の1つです。
業務用・産業用のユースケースでは、許容される制約も異なります。多くの企業向け用途では、堅牢性、管理された環境下での使用、用途に特化した機能が優先されます。そのため、外部のバッテリーパック(低効率な光学系の許容)や、より大型の形状、より複雑な光学アセンブリが受け入れられることもあります。こういったデバイスは、単眼式のニアアイディスプレイから完全密閉型のMRヘッドセットまで、没入度の幅が広く、このような多様性が、さまざまな参入企業による多様な光学ソリューションに対する継続的な市場需要を生み出す一因になっています。
AIシステムの組み込みも追い風となって、消費者向けスマートグラスでは大きな動きが見られており、スマートグラスに「キラーアプリケーション」が生まれる可能性があります。こうした用途では、通知、合図、文脈情報を表示できるシンプルで軽量な光学部品が要求され、2025年9月に発売されたメタのデバイス「レイバン・ディスプレイ」は、その一例です。2026年にはグーグルやスナップなどの大手テクノロジー企業からの新製品投入も見込まれており、この分野の成長に寄与するものと考えられます。こうした動向により、薄型・軽量設計を可能にする、メガネ型に適した光学系への関心が高まっています。
ARデバイスは、光コンバイナと導波路を利用することで、透過性を維持しつつ画像を映し出します。主な課題としては、色性能の制御、許容範囲の効率の達成、適度に広い視野角の確保、自然な眼球運動に対応するのに十分な大きさのアイボックスの提供などが挙げられます。世界では数十億人が視力矯正を必要としていることもあり、度付きレンズへの対応や封止設計もスマートグラスにとって重要な点です。
VRデバイスはレンズを使用しており、メーカー各社は輻輳調節矛盾に対する解決策を模索しています。コンパクトさを実現し、フレネルレンズの妨げとなっていたゴッドレイ問題を解消することから、現在はパンケーキレンズが標準的技術となっており、市販デバイスの大半で使用されていますが、パンケーキレンズも、光学効率の低さ、ゴースト、高コストといったトレードオフがないわけではありません。
ARヘッドセットの出荷台数は、2036年までに年間約3,500万台に達すると予測されており、VRの出荷は2,700万台を超える見込みです。これらの市場は光学部品や関連材料のサプライヤーにとってビジネス機会を生み出し、ARとVRデバイスの合計収益は2036年までに220億ドルに達すると予測されています。IDTechExの調査レポート「VR/AR/MRの光学系技術 2026-2036年:技術、予測、市場」 は各光学系技術を詳細に解説し、ベンチマーキング評価による技術クラス比較や、今後10年間で成長が見込まれる技術の分析を提供しています。光学系技術の採用予測も含まれており、AR光学とVR光学の技術別にセグメント化しています。
本レポートは、過去のレポートを基に、XR市場の新たな分析、最新のベンチマーク評価、企業状況に関するさらなる解説を加えたものとなっています。業界関係者へのインタビューや継続的な市場調査に基づき、VR/AR/MRデバイスの光学系の今後を方向付ける技術や市場要因を中立的に評価しています。
さらに詳しくはIDTechExのレポート「VR/AR/MRの光学系技術 2026-2036年:技術、予測、市場」 でご確認ください。該当ページからサンプルページがダウンロードできます。IDTechExのAR/VRに関連するレポートは、こちら でご覧いただけます。
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