移動式ロボットが倉庫業務で使われる理由

移動式ロボットが倉庫業務で使われる理由

Mobile robots carrying cardboard boxes around the floor of a warehouse
Eコマースと食料品のインターネット販売の急成長に伴い、倉庫業務と物流チェーンの自動化が必要となる場面が増えています。倉庫の自動化は入庫、在庫品の庫内移動、顧客への出庫を自動化し、人の手による補助作業を最小限にすることを目的としています。倉庫の自動化により肉体労働の繰り返しや手作業によるデータ入力・分析などに要する人手の削減が可能になります。
 
自動倉庫(AS/RS)、シャトル型自動倉庫、自動仕分け、ロボットによるパレタイズ、コンベアシステムといった従来の自動化ソリューションは、ほとんどが複雑な固定式のシステムです。しかし最近ではAGV、AMR、移動式ピッキングロボットといった移動式ロボットによる自動化ソリューションが市場で多く見られるようになり、これらを導入して従来の固定式自動化設備から置き換える倉庫が増えています。IDTechExの市場調査レポート『モバイルロボット_物流、倉庫、搬送用途 2022-2042年』では、モバイルロボットがなぜ倉庫の自動化のトレンドとなっているか、4つの理由で解説しています。

設置

固定式の自動化設備は一般的には大きなラックと長いコンベアを組み立てる必要があるため、設置後稼働させるまでに数か月かかる場合があります。設置には非常に多くの人手と費用が必須で、自動化システムのプロバイダー自体が設置作業を行わないこともあります。移動式ロボットの中には、固定式のナビゲーションインフラ(AGVなど)を使用してはいますが、増設の場合はレーザー反射装置、磁気テープ、誘導線、バーコード・QRコードなどをセットアップするだけで、はるかに容易に短時間で済むものがあります。そのためAGVシステムの設置には、一般的に2~6週間しかかかりません。
 
自律移動式ロボットユニットの場合は、ロボットに施設内のルートを覚えさせるだけで済み、環境に変更を加える必要もないため、設置時間をさらに短縮できます。またソフトウェアの初期設定は、ほとんどリモートやクラウド上で行えます。設置時間の短縮により、移動式ロボットシステムを初期化する際の日常業務への影響も低減します。

コストと投資回収率(ROI)

固定式自動化設備を導入するには多額の先行投資が必要ですが、IDTechExの市場調査レポート『モバイルロボット_物流、倉庫、搬送用途 2022-2042年』で考察しているように、移動式ロボットの先行投資コストは固定式自動化設備のわずか1/3程度になる可能性があります。また固定式自動化設備は、設置、保守、動力供給も移動式ロボットよりコストがかかるため、移動式ロボットの投資回収率は約1~2年であるのに対して、固定式自動化設備の場合は5~10年になります。

フレキシビリティ

固定式自動化設備を変更するとなると、設置時よりも多額のコストと時間を要する可能性があり、生産・業務全体が停止する場合もあります。その一方で、移動式ロボットシステムははるかにフレキシブルです。AGVはインフラ設備を必要としますが、搬送車のタスクを変更する場合はQRコードや磁気テープなどのマーカー位置を変更するだけで、固定式自動化設備の再設置よりもはるかに簡単です。AMRに及んではインフラ設備が不要なため、フレキシビリティが高まることは言うまでもありません。こういったことから、移動式ロボットは機動的なマテリアルハンドリングや生産ラインに最適です。また移動式ロボットシステムは倉庫内の設置スペースも小さく省スペースなため、より複雑でフレキシビリティの高い物流動線を実現できます。

拡張性

いったん固定式自動化設備を設置すると、規模や機能を拡張することは困難です。一方、移動式ロボットの場合は規模を簡単に拡張できるため、企業はある一定期間に機能を拡張するだけで、最も費用対効果の高い方法で需要ピーク(ブラックフライデーなど)に対応できるようになります。また移動式ロボットは倉庫や工場で効率的なオペレーションを維持するのにも役立ちます。
 
移動式ロボットは数回の充電時以外は1日中稼働することができるものの、作業ごとに比較的限られた荷重を運搬することしかできません。一方、固定式自動化設備の場合は資材を休みなく連続して運搬することが可能です。そのため大型倉庫では物流動線が広範囲にわたるため、移動式ロボットを使用した場合、固定式自動化設備に比べて効率が劣ることがあります。しかし確かなのは移動式ロボットが、どんな場合でも固定式自動化設備と併せて利用でき、倉庫業務の作業を最適化するものであるということです。
 
技術比較:倉庫におけるモバイルロボットと固定式自動化設備。
 
さらに詳しくは、IDTechExの市場調査レポート『モバイルロボット_物流、倉庫、搬送用途 2022-2042年』で、ご確認ください。
 
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