IDTechEx技術ハイライト2020: 5G

IDTechEx技術ハイライト2020: 5G

Dr Luyun Jiang
IDTechEx技術ハイライト2020: 5G
収益性の高いビジネスモデルとキラーアプリケーションが登場し始めていることから、5Gは最大かつ急速に成長する市場の1つになると予想されています。2020年末までに、52の国・地域の125の事業者が5Gの商用サービスを開始しており、5Gの加入者数は世界で2億人を超えると予想されています。しかし、予想外のCOVID-19のパンデミックにより、世界的に5Gネットワークの展開が遅れています。また、世界経済の不確実性や、現在進行中の米中貿易戦争が、5G技術の適応を遅らせる可能性があります。
5Gインフラとその展開
COVID-19のパンデミックは、5Gの展開を妨げるブラックスワン(未曽有の事態)です。これまでのところ、通信業界はパンデミックによるマイナスの影響をほとんど被っていないものの、世界経済が危機的状況にあることから、通信業界は5Gインフラへの投資を縮小し、顧客も5G機器やアプリケーションの導入意欲を阻害される可能性が高くなっています。サブ6GHz帯の5G基地局が整備される範囲は予想を20%下回る恐れがあり、多くの国では5Gモバイルネットワークの展開が9か月から18か月遅れるとされています。
 
しかし中国では、政府の後押しで5Gの展開が急速に進められています。中国の工業情報化部(MIIT)は、COVID-19による経済への影響を軽減するため、5Gネットワークの構築を国家戦略として位置付けています。2020年10月の時点で、中国国内には60万か所以上の5G基地局が設置されています。
 
その一方で、多くの国において、5Gインフラ向けの最大ベンダーであるファーウェイを国内の5Gネットワークから排除すべきどうかの議論が続けられています。英国政府は、2021年9月以降ファーウェイの5G向け新機種の導入を禁止し、2027年までに5Gネットワーク全域からファーウェイの機器を完全に排除するよう指示しました。
5Gスマートフォン
5Gは、ファーウェイやサムスンなどのブランドをはじめとして多くの主力スマートフォンに搭載されています。2020年11月までの段階では、サムスンが5Gスマートフォン市場で最大のシェアを占めてきました。米国政府から圧力を受けているファーウェイは、米国の制裁を免れるため、2020年11月にHonor(オナー)ブランドを中国企業に売却しました。
 
2020年、ついにAppleがiPhone12のすべてのモデルに5Gを搭載し、競争に名乗りを上げました。Appleが5G競争に参入したことで、通信会社の投資が拡大し、新たな材料や技術の採用スピードが加速し、残されていた課題の解決が進む可能性が高まります。一方、低価格の5Gモバイルも数多く市販されるようになった結果、5G携帯電話の市場シェアは2020年に急拡大し始めています。ただし、5Gスマートフォンのほとんどは、サブ6GHz帯の5Gにしか対応していない点には留意が必要です。
5Gの熱管理
近年では、熱拡散を改善するスマートフォン内のベイパーチャンバーの用途が増えています。しかしながら、いくつかのハイエンドモデルでは、複雑さを抑え、コスト、重量を削減するためにグラファイトヒートスプレッダが依然として使用されているため、その将来は決して安泰とは言えません。サムスンは、新しいスマートフォンNote20に、グラファイトヒートスプレッダや銅製ベイパーチャンバーを使用しました。Apple初の5G対応スマートフォンの全機種にも、ベイパーチャンバーではなく、グラファイトヒートスプレッダが採用されました。
 
2020年には、5G用途向けにいくつかの新しい熱材料がリリースされました。代表的なものとしては、ダウが発表した6.5W/m・Kの熱伝導率を実現したDOWSIL TC-3065サーマルゲルや、ヘンケルが発表した5Gインフラ向けのTIMのラインナップがあります。さらに、W.L.ゴアのスマートフォン向け材料、Thermal Insulationは、機器表面のホットスポットを減らすのに役立ち、新しいミリ波5Gアンテナにも対応しています。
 
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