ウォルマートのRFID必須化は小売業のRFID導入にどう影響するか
2022年5月23日
Dr Yu-Han Chang
RFID業界における2022年最初のビッグニュースは、世界有数の小売企業ウォルマートが、RFIDの利用をアパレル小売部門から他の小売部門にも拡大する方針を発表したことです。
ウォルマートは、上記部門の取引先に対し、ウォルマートに納入するすべての商品にGen2準拠のUHF帯RFIDタグ(周波数902~928MHz)を貼付するよう求めました。
- ホーム部門(キッチン・ダイニング用品、インテリア雑貨、浴室用品、寝具、家具・かばん類、収納家具・収納用品)
- エンターテインメント部門(玩具、電子機器、ワイヤレス機器)
- ハードライン部門(スポーツ用品、自動車用タイヤ、バッテリー類)
ウォルマートによると、2020年にアパレル小売部門でUHF帯RFIDタグを導入して以来、在庫管理が劇的に改善したとのことです。その結果、顧客の店内でのショッピング・エクスペリエンスが向上し、オンラインで購入して店舗で受け取る機会が増え、セールス・ポテンシャルも高まっています。このことが、ウォルマートにとってRFIDの利用を他のカテゴリーに広げる大きな動機になっていると考えられています。
UHF帯RFIDの活用は、まずはアパレルやフットウェア部門の小売業で広まりました。IDTechExは市場調査会社として20年以上にわたってRFIDに関する調査を行ってきましたが、当社調べでは、昨年にはUHF帯RFIDタグの70%以上が上記の2部門で利用されています。「アパレル・フットウェアの小売業界におけるUHF帯RFIDタグの市場規模は、数量と金額の両方で依然としてずば抜けて大きく、投資の回収が可能であることが十分証明されているため、この状況は今後10年間も続くでしょう。小売業者は同じパターンのアプローチで展開していくと見られます」と IDTechExのCEO Raghu Das (ラグー・ダス)は述べています。「UHF帯RFIDは、アパレル・フットウェア小売業界において非常に効果があることが実証されているため、我々が取材した主要企業の多くが、この成功体験を他の事業部門にも広げることを現在検討しています」
現在、ウォルマートの発表を受けて、他の小売部門でもUHF帯RFIDの導入プロセスが加速する可能性があり、その場合は他の小売業者も後に続かざるをえなくなります。
小売業におけるRFIDの未来は明るいものの、対処しなければならない問題が1つあります。UHFリーダーのネットワークが消費者ではなく主に企業によって構築されているために、普及にはほど遠い状態であるということです。UHFリーダーは低価格化が進んでおり、NFCタグがそうであるように、最終的には消費者向けスマートフォンに搭載される可能性があります。UHFリーダー搭載スマートフォンはすでに発売されていますが、価格面から主に業務用として利用されており、消費者をターゲットにしたものではありません。
リーダーのインフラの整備が進み利用しやすくなれば、RFIDの導入がアパレル・フットウェアの小売部門だけでなく他の小売部門でもさらに加速的に進むであろうとIDTechExでは見ています。RFIDの導入により、在庫管理だけでなく、顧客エンゲージメントや広告などの利点ももたらされるため、これが実現すれば、商品にRFIDを貼付するためのコスト増加に対する正当な理由を見いだすことができます。
IDTechExは20年近くにわたり、RFID市場を調査してきた実績があります。最新版調査レポート『RFID市場_見通し、有力企業およびビジネスチャンス 2022-2032年』では、RFID市場を幅広くカバーしています。パッシブ型RFID(UHF、HF、LF帯用)や、バッテリー内蔵パッシブ/アクティブ型RFID、チップレスRFIDの技術・プレーヤー・市場などについて取り上げています。本レポートではバリューチェーン内の各キープレーヤーへの直接取材を通じて収集した一次データ(取材先の多くとは集合データとしての利用を許可する秘密保持契約の下でデータ提供を受けています)のほか、各方面の情報源から収集した二次データに対する客観的分析を提供するとともに、RFID業界に関する当社の知見に基づいた考察を掲載し、今後の市場予測も含まれます。
・アイディーテックエックス株式会社 (IDTechEx日本法人) が販売。
・IDTechExからの直接販売により、お客様へ各種メリットを提供。
・ご希望の方に、サンプルページ 送付。
・オンラインでの試読については、ご相談ください。
・その他、調査レポートに関する、質問、購入に関する問い合わせは、
下記担当まで。見積書、請求書も発行します。
IDTechExの調査レポートを購入すると、30分のアナリストタイムが提供されます。直接アナリストにレポートに関する質問が可能です。詳しくは、下記担当までお問い合わせください。
問合せ先
アイディーテックエックス株式会社
東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル21階
担当:村越美和子 m.murakoshi@idtechex.com
電話 : 03-3216-7209
IDTechExは、調査、コンサルタント、イベントを通して、戦略的なビジネス上の意思決定をサポートし、先進技術からの収益を支援しています。IDTechExの調査およびコンサルティングの詳細については、IDTechExの日本法人、アイディーテックエックス株式会社まで、お問い合わせください。