インモールドエレクトロニクス_短期的には厳しいが、長期的には明るい?
2021年11月4日
インモールドエレクトロニクス (IME) は、自動車向けタッチセンサー式インターフェースの製造方法において次に来る革命であるとよくいわれます。しかしながら、スムーズな静電容量方式タッチセンサーは最近発売された車の多く、特にハンドルやセンターコンソールの部品などでよく見かけるようになっていますが、現時点ではIMEで製造されていません。代わりに機能性フィルムを既存の立体部品に貼り付けるといった他の方法が採用されています。
この明らかな相違は「将来の静電容量方式ヒューマンマシンインターフェース(HMI)コンポーネントは、IMEで製造されるのか? それとも現在利用されている、よりシンプルな製造方法が生き残るのか?」という重要な疑問を投げ掛けています。
競合するHMIの製造方法
バックライト付きの静電容量方式タッチセンシングを提供するHMIコンポーネントは自動車の内装や家電製品のコントロールパネルなど、多数の用途で利用が進んでいます。従来の機械式スイッチと比較するとバックライト付きの静電量方式タッチセンサーは、使用される部品の数が少ないために軽くて組み立てやすく、個々のボタンがないためきれいに拭くこともできます。これらは見た目こそ似ていますが、バックライト付きの静電容量方式タッチセンサーならさまざまな方法で製造できます。最近発売された一部の車に用いられている一般的なアプローチの1つが高圧熱成形をしてから射出成形をすることで、曲面を取り入れていることが多い装飾部品を最初に製造する方法です。次に静電容量方式スイッチと接続配線が印刷された導電パターンを含む機能性フィルムを裏側に貼り付けます。導電性領域は(導電性ポリマーであるPEDOT/PSSか金属メッシュのいずれかを用いることで)透明にすることができ、別途製造した導波管を使用してバックライトが利用できます。
それに対しIMEの製造工程では、材料に対する要求事項が厳しくなります。最初に導電性インクをプラスチック(通常はポリカーボネート)製の基板の上に印刷します。次に導電性接着剤(ECA)を使用し、LEDなどの電子部品を取り付けます。さらに導電配線と実装部品を含む基板を熱成形して目的とする曲面を作ってから射出成形で完成部品を作ります。
IMEの相対的優位性は時間と共に向上
IMEと比較して材料への要求事項が厳しくなく採用への障壁が低いため、機能性ホイルをわずかに湾曲した部品に貼り付けて静電容量方式タッチスイッチを製造する方法はすでに自動車セクターで商業化までこぎつけています。この2種類の製造方法がもたらす部品の機能が(それにより消費者体験も)非常に似ているとすると、IMEはどのように競い合うことができるのでしょうか?
その答えはIMEによって不要となる部品と組立工程を考えることにあります。たとえば機能性ホイルを貼り付けて静電容量方式タッチセンシングを実現する方法では照明とそのための導波管を別途製造して取り付ける必要があるのに対し、IMEではそれらが部品と一体化しています。こうした高度な一体性はIMEによって部品・材料と組立工程を全体的に削減できるようになることを意味しています。したがってIMEで製造した部品の方が軽くなり、電気自動車の航続距離と持続可能性の両方に恩恵をもたらします。
重要なのはIMEの技術が発展するにつれて、より幅広い機能が組み込まれるようになるということです。そうした機能にはハプティクス、環境発電、暖房、さらにはプリント基板のような制御装置などがあり、別途準備していた多くの部品が不要になるので、競合する製造方法と比較してIMEの価値提案が強化されます。機能性ホイルの場合、同じように電子部品を広い範囲に組み込むことは、部品を立体面に取り付ける必要があるために困難で時間を要するものとなります。それに対しIMEでは比較的高速な従来の2次元でのピックアンドプレースによって熱成形の前に電子部品を取り付けることができます。

IMEの優位性比較 出展: IDTechEx調査レポート『インモールドエレクトロニクス 2022年-2032年:技術、特許、市場予測、有力企業』
要約するとIMEの現在の商業利用状況は、静電容量方式タッチセンサー機能面を製造するいくつかの代替方法に対して後れをとっています。しかしながらIMEは追加の電子的機能を組み込むことに対するポテンシャルがはるかに高く、部品がより小さく軽量で作りやすいものになるため総原価は低くなります(図を参照)。そのためIDTechExでは、機能性ホイルの貼り付けなどの手法に対するIMEの相対的優位性は時間と共に高まり、それが普及につながっていくと考えています。
IDTechEx調査レポート
本調査記事はIDTechEx調査レポート『インモールドエレクトロニクス 2022年-2032年:技術、特許、市場予測、有力企業』 内容に基づいています。装飾的な静電容量式インターフェースを製造するためのIMEと競合技術の両方を取り上げています。このレポートでは製造方法、材料の要件、アプリケーション、および課題について詳細に解説しています。アプリケーション分野別の10年間の市場予測は売上高とIMEパネル面積の両方で表され、関連する材料の機会も提供されています。また複数のアプリケーションのプロトタイプ例、典型的なIMEコンポーネントのライフサイクル分析、初期段階の企業や既存の企業へのインタビューに基づく複数の企業プロファイルも含まれています。詳細およびサンプルページのダウンロードはwww.IDTechEx.com/IMEこちらからアクセスください。
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