エネルギー・産業分野から続くエアロゲル市場の成長
2025年5月27日
Dr Shababa Selim
エネルギー・産業用途向けのエアロゲル市場は、これまで緩やかな成長を遂げており、2021年の2億2400万ドル規模から2025年には3億4800万ドル規模まで成長すると予測されています。熱伝導率と密度が非常に低いことから、EV(電気自動車)バッテリー、産業機械・パイプライン、石油・ガス、建築・建設などの防火材料や断熱層など、エアロゲルは幅広い用途向けの高性能断熱材として注目を浴びています。エアロゲルの生産能力が拡大し、市場で入手しやすくなってきていることから、今後10年間も主にエネルギー分野と産業分野で採用され続ける見通しです。IDTechExの調査レポート「エアロゲル 2025-2035年:技術、市場、予測」では、エネルギー・産業用のエアロゲルは、エアロゲルが満たす高い性能要件により、今後10年間で2倍以上に成長すると予測しています。

エアロゲルは熱伝導率が極めて低い超軽量材料。ブランケット、フォーム、粒子、パネルなど、さまざまな材料タイプや形態にわたる130種類以上の市販エアロゲル製品をIDTechExがベンチマーク評価。出典:IDTechEx
断熱材としてのエアロゲルの優れた性能
非常に多孔質で超軽量な固体材料の一種であるエアロゲルは、無機物、有機物や複合材料のナノ構造がつながり合って構成されています。この材料の空隙率は一般的に約90~95%です。市場の主流はシリカやシリカ複合材料のエアロゲルですが、エアロゲル・テクノロジーズやブルーシフトなどの企業による有機系エアロゲルも登場し始めています。
エアロゲルは優れた断熱材であるだけでなく、遮音材としても知られています。また、製造工程によっては疎水性を付与することも可能で、非腐食性や耐火性も備えています。製品は、ブランケット、シート、フォーム、粒子、タイルなど、さまざまな形態にわたって存在しています。IDTechExでは、現在市販されているものから開発中のものまで、130種類のエアロゲル製品に関するデータを収集してきました。エアロゲル製品の詳細な比較、ベンチマーク評価、分析については、IDTechExの調査レポート「エアロゲル 2025-2035年:技術、市場、予測」でご覧いただけます。
エネルギー・産業用途に関連する製品のほとんどは、アスペン・エアロジェルズ、アーマセル、ナノテックなどによるシート状やブランケット状のものです。最近ではLG化学も市場に参入し、IDTechExのインタビューに対し、自社の石油化学プラントを含む法人客向けにエアロゲルを現在生産中で、今年後半にはEV断熱層市場への参入も予定していると回答しています。
しかし、シリカ複合材料によるソリューションの主な課題の1つは、大量の粉じんが発生することです。そのため、取り扱いが難しいだけでなく、耐用年数を通じて性能に影響が出る恐れもあります。その軽減に向けた製造工程の改善は、多くの企業の間で焦点となっています。

エネルギー分野と産業分野のエアロゲル市場規模の現状と今後の予測。出典:IDTechEx
市場展望
エアロゲル市場は急速に発展していますが、エアロゲル製品のコストは他の断熱材と比べて割高であるという懸念が残っており、これまで広範な市場成長を阻んできました。しかしここ数年、中国を中心にメーカー各社が生産能力を急速に増強してきています。IDTechExの推定では、現在の世界の生産能力のうち約97%を中国が占めており、大規模な拡張計画も複数あります。市場での入手性が上がれば、エアロゲルはより競争力の高い価格設定を実現できるかもしれません。
プロセス効率がますます重視される中、断熱性が省エネを実現する上で極めて重要な要素になってきているため、エアロゲルはエネルギー分野や産業分野に不可欠な材料とされています。IDTechExは、エネルギー分野や産業分野のエアロゲル市場は今後10年間で2倍以上に成長すると予測しています。
IDTechExの調査レポート「エアロゲル 2025-2035年:技術、市場、予測」は、世界のエアロゲル市場を包括的かつ独自に分析し、用途と材料タイプ別の10年間の詳細な市場予測を掲載しています。また、ポリマー、シリカ、シリカ複合材料のブランケット、パッド、シート、フォーム、その他各種形態などの材料についても取り上げています。本調査レポートでは、EV(電気自動車)バッテリー、石油・ガス、建築・建設分野などでのさまざまな用途にわたり、断熱層などの市販エアロゲルのベンチマーク評価も行っており、エネルギー貯蔵、家電製品、採光システム・窓など多数の市場を対象としたエアロゲルの用途の評価もご覧いただけます。
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