モビリティーの未来にレーダーが不可欠な3つの理由

モビリティーの未来にレーダーが不可欠な3つの理由

Overhead view of graphic showing autonomous cars navigating using radar
レーダーは自動車の安全にとって不可欠であり、現在開発が進められている自動運転レベル4を実現する上で極めて重要です。IDTechExの最新レポート「車載用レーダー 2022- 2042年」によると、現在新車の50%以上が1つ以上のレーダーを搭載し出荷されていますが、2042年にはすべての新車に複数のレーダーが搭載され、レーダーが将来のモビリティーモードを実現する重要な要素となるでしょう。

車載レーダーで安全性が大幅に向上

今日、フロントに搭載されたレーダーは共通のADAS(先進運転支援システム)機能、自動緊急ブレーキ、アダプティブ・クルーズ・コントロールを作動させる上で欠かせません。レーダーは車間距離や車両の速度を正確に測定すると同時に暗闇、悪天候、霧にも強いため、頼りになるセンサーソリューションとなっています。
 
アクティブセーフティ技術はすでに有効性が証明されており、この技術によって追突が45%減少しています(欧州運輸安全評議会の発表)。これらの安全上の利点により規制当局やユーロNCAPなどの安全性評価団体は、すべての新車に対する自動緊急ブレーキの搭載を推進するようになりました。IDTechExはこれらの規制の後押しを考慮し、レーダーの採用が大きく伸びると予測しています。
 
Availability of ADAS features in today's car market. Source: IDTechEx Research.

レーダーはLiDARの性能に近づいている

レーダーセンサーの性能は過去10年間で急速に向上しています。Bosch, Continental、デンソーなどのTier1サプライヤーが提供する製品は、5~10年前の同種の製品と比べて桁違いに優れています。その要因については、調査レポート「車載用レーダー 2022- 2042年」で解説しています。その一方、IDTechExでは将来の性能向上を担う重要な実現要因の一つが、シリコン・ゲルマニウムバイポーラCMOS(SiGe BiCMOS)ベースのトランシーバーからシリコンCMOS(Si-CMOS)に変わりつつあることを認識しています。
 
IDTechExはスタートアップ企業8社とTier1、Tier2の自動車部品サプライヤー5社に取材を行う一次調査を実施しました。UhnderやArbeなどのスタートアップ企業は、Si-CMOSベースの技術を使用しレーダーの性能をこれまで見たことがないような新たな高みへと引き上げています。これらの有力企業が実現している角度分解能は0.5~1°の領域に突入しつつあり、通常0.05~0.5°の角度分解能を実現するLiDARの性能に迫り始めています。このことから現在のレーダーの性能はLiDARとほとんど同じレベルになったと言っても過言ではないでしょう。
 
Improving performance of radar over time. Source: IDTechEx Research.

自動運転 - レーダーの長期需要を喚起

レーダーの売上を後押しするもう一つの要因となるのが、高度な自動運転レベルに対応した自動運転車の登場です。レベル3の車両はすでに日本の公道を走行しており、2022年には欧州市場への参入が見込まれています。レベル3以上の車両には1台当たり少なくとも5基のレーダーが搭載されると予想されています。こうしたレーダーの個々の性能についてもこれまで以上に向上させる必要があります。
 
安全性の改善、より高レベルの自動運転に対する需要、性能水準の向上がレーダーの採用を後押しすると考えられます。近いうちにすべての車両が少なくとも1基のレーダーを搭載して出荷されるようになるかもしれません。このセンサーには間違いなく皆さんも注目しているはずです。

テスラの脱レーダーの動きはトレンドを変えるか?

これらのADAS機能はカメラを使用することでも実現できますが、ほとんどのメーカーがレーダーを選択しています。これに当てはまらない例の一つがテスラです。同社はモデル3とモデルYからレーダーをなくす代わりに、カメラのみのソリューションを使用することを選択しています。しかしこの切り替え以降、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)には、システム作動中のファントムブレーキについて多くの苦情が寄せられています。ファントムブレーキは通常レーダーが誤検出をして緊急ブレーキを作動させたときに発生します。テスラはカメラのみを使用してこの現象を改善しようとしていました。
 
テスラがレーダーをなくす理由の一つが、これまでレーダーの課題だった角度分解能の低さでした。角度分解能が低いと陸橋の下で静止している車両と陸橋自体を区別するといったタスクがほとんど不可能になります。しかしながらテスラは2014年からレーダーを使用しており、業界もそれ以来長い道のりを歩んできました。このような理由に加えて前述の利点によりIDTechExのアナリストはテスラがレーダーのトレンドを変えてしまうことはないと考えています。
 
さらに詳しくは「車載用レーダー 2022- 2042年」でご確認ください。

IDTechEx モビリティーリサーチ

この調査はIDTechExの広範なモビリティー調査の一部を構成しています。IDTechExは、自動運転の採用、電気自動車、バッテリーのトレンドを追跡し、今後起こりうるさまざまな状況にも対応できるようにしています。詳細はwww.IDTechEx.com/Mobilityでご確認ください。
 
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